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[オピニオン]月給封筒

Posted January. 25, 2005 22:58,   

한국어

毛沢東はすべての権力は「銃口」から出ると言ったが、大韓民国家長の権力は「月給封筒」から出た。月給を現金で受け取っていた1980年代まで給料日は主人が妻に大きな声を出すことのできる格別の日だった。習慣的に愚痴をこぼす妻もこの日だけは酒を用意して穏やかに主人の帰宅を待ったりした。しかし妻たちのこのような苛立ちが分からず博打や飲酒で夜を明かして明け方に帰宅して空の封筒を突き出す「肝の太い夫」たちもいた。

◆家長の立場で顧みれば「本当に良き時代」だった。あれこれ引かれて薄くなっていたが月給封筒を洋服の奥深く入れて帰る帰宅は特に足が軽かった。万が一に備えてすし詰めバスの代わりにタクシーに乗って帰る肝の小さい夫がいたし、韓服(ハンボク)身なりに丁寧なお辞儀で主人に感謝の気持ちを示す妻もいた。「普通の妻」たちは年末精算や年月次手当て制度そのものを知らなかった。偶然口が軽い仲間が忘年会のような所で誤って口に出して「その事実」がばれたら、大きな夫婦けんかが起きたりした。

◆ウォン単位の小銭一つまで支払おうとすれば、経理課社員たちが数日間苦労しなければならなかった。給料日の午後になれば会社周辺の居酒屋と飲食店の従業員たちがつけをもらうために突然入ってきて、彼らと隠れんぼうすることもたまに見られる風景だった。しかし月給支給の方式が自動振替に変わることでこのような風景は徐々に消えてしまった。妻や子供たちに押される韓国家長の地位は月給封筒の消滅から始まった。もしや女性界の「陰謀」ではなかったのだろうか?

◆カトリック総合マスコミである平和放送と平和新聞が、25日支給した1月分の給与から月給支給の方式を現金支給に変えて話題になった。呉智英(オ・ジヨン)社長神父は「家長の苦労を家族全員がありがたく思うように、萎縮しつつある家長の地位を取り戻してあげたい」と言った。家長の苦悩が十分わからない社長神父様が司牧的な判断でこういう「勇断」を下したと言うのはもっとありがたいことだ。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com