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必須少子化支援政策は所得基準を廃止すべきだ

必須少子化支援政策は所得基準を廃止すべきだ

Posted March. 18, 2024 08:51,   

Updated March. 18, 2024 08:51

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「少子化を福祉政策で解決できる段階は、すでにとっくに過ぎている」

最近、ある中央省庁の公務員は少子化問題と関連した様々な対策ついて、「所得基準で支援対象を定めたことも、今は他の観点で検討する必要がある」としたうえで、このように話した。最近、オンラインで新生児特例融資を所得基準によって異なるように支給する政策をめぐって、議論が起きた。支援対象の所得要件を年間1億3000万ウォン以下に限定し、婚姻届を出さなかったり、出生届に夫の名前を載せない便法を共有する人まで現れた。所得基準の境界線で支援可否が交錯した夫婦たちは、「典型的な卓上行政」だと怒りを爆発させた。

福祉政策については、皆に支給する無差別的現金散布性政策の代わりに、絶対必要な対象者に支援を行う適合型政策が必要だという意見に全面的に同意する。ただ、すでに少子化問題は、福祉領域を越えて久しいというのが問題だ。不妊夫婦の施術費の支援については所得基準を廃止したように、必須分野については積極的に支援対象者を増やさなければならない。所得基準云々し、行政的物差しだけでアプローチするのは安易な発想だ。

ソウルに住む共稼ぎの30代の家長は、「所得基準で両親たちを分けるのではないか」とし、「住宅ローンのような住居政策まではなくても、子育て世話政策は所得基準で決めるのではなく、誰にでも積極的に支援する必要がある」と話した。13年前、政治的命運をかけて「選択的福祉」を主張したソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長までが、少子化危機の前では、様々な支援政策について、所得基準はもとより、6ヵ月以上居住しなければならないという条件まで一つ二つ廃止している。ソウル市議会の金顯基(キム・ヒョンギ)議長も新年の懇談会で、「すべての少子化政策において、所得基準を廃止しよう」とし、政策大転換の必要性を強調した。

少子化問題のように解決策を見出せない分野もない。結婚から妊娠、出産、育児、保育、教育、入試、就職、そして再び子供の結婚へと絶えず繰り返される半世紀の間、このような人生の軌跡のあちこちに山積している問題を放置した見返りを、今になって払うのではないかと思う。昨年末から政界では少子化公約を大々的に打ち出し、子供1人を出産するたびに1億ウォンを出すという企業まで現れた。

それでも、昨年10~12月の合計出生率は0.65人で過去最低値を記録した。少子化政策は、大規模な予算を投入しても、直ちに具体的な成果にはつながらない。専門家らは、少なくとも5年、長くて10年は経ってから、政策効果が明らかになるものと予想している。所得基準の廃止も同様だろう。

医学部入学定員の拡大に反発する医師らの病院離れが長期化し、医療空白の問題が深刻化しており、総選挙が1ヵ月も残っていない状況で、少子化問題はしばらく後回しにされるしかない。にもかかわらず、大統領をはじめとするすべての選出職公務員は、国の未来を考える責任をもって、少子化危機を克服するための政策を揺らぐことなく引っ張っていかなければならない。数年後の選挙だけを念頭に置いて、有権者の目の前に直ちに成果を出せるポピュリズム政策のみ乱発しては、国の未来はない。