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先月29日午前8時30分。米ニューヨーク市のラガーディア空港に向かう片道4車線道路の片側の排水口から噴水のように水が噴き出した。1時間当たり50ミリを超える大雨が降ったため、水はあっという間に増水し、道路はほぼ冠水した。記者が乗ったタクシーをはじめ、車は路肩側に移動し、一列に並んで這うように進むしかなかった。運転手のラチャットさんは、「こんな経験は初めてだ。どうやって抜け出せばいいのかわからない」と困惑した。
近隣の車が右往左往している中、30分が過ぎた頃、携帯電話に「生命を脅かす洪水の危険があるので、できるだけ移動しないでください」という当局の災害警告メッセージが届いた。すでに多くの会社員、小・中・高校生が出勤、登校を開始した後だった。ニューヨーク市だけで少なくとも150以上の学校が浸水した。
その間、マンハッタン、ブルックリン、クイーンズなどニューヨーク市各地の地下鉄の駅や道路が浸水した。ラガーディア空港のターミナルAは水が入り、全面閉鎖された。同日午後11時頃にようやく開かれたが、一部の乗客が裸足で浸水区域を通過する様子がソーシャルメディアに投稿された。
ジョン・F・ケネディ国際空港付近にも1日で203ミリの雨が降った。9月基準では、1948年以来75年ぶりに最も多くの雨が降ったと記録された。これにより、数百便の航空機がキャンセル、または遅延した。同じく127ミリの雨が降ったマンハッタンのセントラルパーク内の動物園では、トド1頭が檻の外の浸水地域に逃げたが捕獲された。
177ミリの豪雨が集中したブルックリンでは、半地下のアパートやレストランが浸水の直撃を受けた。ニューヨークの外食企業QBホスピタリティのトニー・パク社長は、「ブルックリンの店舗は新しい建物なのに浸水して営業を停止せざるを得なかった」と話した。
ニューヨークのエリック・アダムス市長が、同日午後12時に初めて記者会見を開いて非常事態を宣言するなど、対応の遅れで批判を浴びている。子どもがブルックリンからマンハッタンの高校に地下鉄で通学しているというある保護者は記者に、「記録的な洪水なのに、なぜ学校を休みにしなかったのか理解できない。排水システムの改善に時間がかかるなら、警告システムだけでも適切に機能しなければならない」と不満を漏らした。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、現在ニューヨーク市の排水システムは、1時間当たり1.75インチ(約44.4ミリ)の雨を処理することができる。しかし、同日、1時間当たり2インチ以上降り、1日に200ミリ近い大雨が降ったことが、各地で浸水被害を拡大させた。ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は同月30日、「残念ながら、大雨が『ニューノーマル』(新しい日常)になっている」と話した。
ニューヨーク=キム・ヒョンス特派員 특파원kimhs@donga.com