Go to contents

音楽

Posted September. 11, 2021 08:45,   

Updated September. 11, 2021 08:45

한국어

大学の講義で、天才作曲家という学生に会ったことがある。絶対音感を持ち、聴音力も優れているという。彼が作曲した音楽について話を交わしたことがある。「夢を見て、とても美しい曲に出会い、それを忘れないようにこの曲を作りました」。このように話していた若い作曲家が記憶に残っている。作曲家は夢を見て曲を書いたりするのだな。不思議に思ったが、考えてみると、詩人も似ている。夢を見てすぐに詩を書こうとしたが、ペンと紙がなくて忘れてしまい、それからは枕元にいつもメモ用紙を置いているという詩人を私は知っている。

見た夢だけが詩になるのだろうか。詩人は、目を開いたままでも夢と似た現実の感じを捉えることができる。その例として、イ・ソンボクの「音楽」を紹介する。この詩は、夢の中のような現実の一場面を含んでいる。雨が降る日に車の中にいると、世の中から孤立したような静けさに包まれる。雨のために、窓の向こうに見える世の中は、いつもとは少し違った世の中のように見える。このような時は、見慣れない世界にいるような妙な気持になる。

孤立感の中で詩人は音楽を聴いている。なんだかあの美しい音楽が本当の世界のようで、自分はしばらく不思議な国に来たような感じがする。このような感じは一瞬にして過ぎ去るものの強烈だ。雨と音楽が私の精神を揺さぶり、本当の私を引き出したような気がする。本来音楽は明確に言語で表現できず、この詩の感じもそうだ。だが、明らかに心にはいつまでも残る。

文学評論家