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作家が見た「瀕死の地球」

Posted November. 07, 2020 08:11,   

Updated November. 07, 2020 08:11

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「環境に関心を持って研究すればするほど、人間の文化がこの世界を破壊する様子が、大きな衝撃と恐怖に迫る。粒子状物質、二酸化炭素の排出量増加、海洋汚染のように目に見えない環境問題を語ることが作家としての義務だ」。写真家クリス・ジョーダンの言葉だ。

予言者のように、気候変動や環境破壊を人々に知らせていた作家がいた。劇作家イプセンの「ブラン」には、次のような内容が出てくる。「むかつく英国の石炭雲が/この地方に黒い幕を覆い/新鮮な緑で輝く草木を全部傷つかせ/美しい芽を枯らし/毒気をまとったまま渦ながら/太陽とその光を野原から奪い/古代の審判を受けたあの村に/灰の雨のように降ってくる」。イプセンは、産業革命によって、真っ黒な汚染物質が英国からノルウェーに飛んできて、山川や湖を殺すと記録した。

「温室効果ガスによる地球温暖化が、地球の天候を変えるだろう」。1930年代の日本の童話作家・宮沢賢治は、「グスコーブドリの伝記」という童話で温室効果について紹介する。当時、冷害がひどかった東北地方の人々を助けるために、人工的に火山を噴火させて、あそこから出る二酸化炭素で地球を暖めるという。当時、何人かの予言的科学者が出した理論に過ぎなかった地球温暖化を作品に書いて、人たちに知らせた彼の目に驚くべきだ。

現実にぶつかる気候災害と環境破壊を記録した作家たちも多い。バイロンは1815年、タンボラ火山がもたらした災害を詩で書いた。当時、3年間夏がなかったし、食糧不足により欧州各国では暴動が起きた。「夢を見たよ/それは多分夢ではなかったかもしれない/輝いていた太陽は光を失い/星は光もなく道もない/無限の宇宙空間の暗闇の中でさまよってたね/氷のように冷たい地球は月もない空で/目が眩んだまま勝手に旋回して暗くなっていった」

最悪の砂嵐が作った悲劇を歌う作品もある。ジョン・スタインベックは、「怒りの葡萄」で、1930年代の米国は巨大な不況と空前の砂嵐の間で、双方から攻撃を受けた暗黒の時代だと言う。ところが、災いを招いたのは、人間の傲慢な欲望だとしながら、耐え切れる以上に大地を酷使させた結果だという。

最初のパンデミックとして知られている1918年のスペイン風邪を素材にしたキャサリン・アン・ポーターの小説「蒼ざめた馬、蒼ざめた騎手」には、このようなフレーズがある。「救急車を備える状況ではありません。ベッドも空ていません。さらに、医師や看護師も、あまりにも忙しくて見つけることができません。すべての劇場、ほとんどのお店やレストランが営業を中止し、町は終日葬儀を行ったし…」

深刻化する気候変動や環境破壊の前で、人類が生きる道は自然との共生だけだ。「今日の地球はかつての生動的地球ではない。人間の利益のために都市を建設し、森を切り倒し、生態系を壊す乱暴な行動を止めなければならない。今、欲望の網にかかって、人類がコロナに締め付けられている。皆一緒に共存の基盤を活かそう」-ク・ミョンスク「コロナ時代に共存を」より