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核挑発能力をアピールする北朝鮮、それでも歓迎する文政府

核挑発能力をアピールする北朝鮮、それでも歓迎する文政府

Posted October. 12, 2020 08:51,   

Updated October. 12, 2020 08:51

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北朝鮮は、朝鮮労働党創建記念日の10日午前0時、大規模な軍事パレードを行った。大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)など新しい兵器も公開した。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、「我々の軍事力は、我々の要求、我々の時刻表どおり、発展速度と質と量が変化している」とし、「戦争抑止力の強化」を強調した。

 

今回の軍事パレードは、対内的な住民の結束と対外的な武力示威を兼ねた北朝鮮式宣伝扇動の真の姿を見せた。正恩氏は特に、米本土を脅かす長距離核ミサイルと対南攻撃用の新型戦術兵器を総動員した。米国に対しては直接的な言及を控えて挑発と交渉を迫り、韓国には連絡事務所の爆破や韓国国民銃殺にもかかわらず、「再び手をつなぐ日」云々し、さらなる「幻想」を強調した。

軍事パレードで公開した兵器は、2017年に相次ぐ核・ミサイル実験で韓半島を戦争の危機に追いやった後、稼動させた南北と米朝の対話ショー、そして長期膠着までの3年の間に作り出したものだ。特に、多弾道ミサイル装着用ICBMや、直径が長くなったSLBMの公開が意味することは明らかだ。決して核を放棄できないため、核保有国を認めるか新しい条件を出せということだ。正恩氏は、「時間は我々の味方だ」とまで述べた。

 

その一方で、正恩氏はひとまず挑発は自制し、来年1月の第8回党大会で具体的な「方略と目標」を提示すると述べた。来月3日の米大統領選後の動きを見て、ひとまず「自閉」の時間を持つということだ。「誰かを狙って戦争抑止力を強化していくのではない」とし、対米脅威の強度を調節し、韓国に対しては「愛する韓国の同胞」という表現まで使って、今後の対米交渉の「飛び石」にしておくための柔軟ジェスチアーを送った。

一方、政府与党は歓迎するムードだ。大統領府は11日午前、国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、「南北関係を修復しようという北朝鮮の態度に注目する」と強調し、関連省庁も一斉に北朝鮮との関係改善への期待を示した。また、与党「共に民主党」は、「異例の発言だ。私たちの意思に前向きに応えたと評価する」と論評した。超大型ICBMを公開し、「挑発と対話の並行戦術」への回帰を明確にした武力示威の本質から目を背けたのだ。

正恩氏は、首都平壌(ピョンヤン)の巨大なセット場で、軍と住民を総動員した「劇場国家」の主人公だった。「申し訳ない」、「面目ない」と述べ、10回ほど「ありがとう」を連発した。目を赤くし「愛民の指導者」を演じた。しかし、正恩氏は眠ることもできず動員された住民と、満身創痍の兵士はものともせず、軍事パレードの群衆を眺め、「世人が驚嘆する光景」と述べる独裁者にすぎない。再び、正恩氏の演技力に、偽りのショーにだまされ、本質から目を背けるのだろうか。