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中国、新型コロナの未検証ワクチンを大量接種

中国、新型コロナの未検証ワクチンを大量接種

Posted September. 28, 2020 08:29,   

Updated September. 28, 2020 08:29

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中国政府が最終的に効能と安全性が検証されていない新型コロナウイルスのワクチン投薬を拡大すると、欧米のメディアが「ワクチンを成功させるために賭けをしている」と批判した。中国が米国をはじめ欧米とのワクチン開発競争でリードするために無理にスピードを出しているのだ。

26日(現地時間)、米紙ニューヨーク・タイムズによると、中国政府は国営会社の職員や政府公務員、ワクチン開発製薬会社の職員や家族にまで、現在臨床3相試験中の中国製ワクチンを接種した。中国でワクチンを開発する会社は、シノバック、シノファーム、カンシノ・バイオロジクスの3社。これらはいずれも現在、海外で臨床3相試験をしているが、これとは別に中国人に広範囲に投与しているという。

これに先立ち、シノファームは中国と海外ですでに数十万人がワクチンを接種したと明らかにした。シノバックは、北京だけで1万人に接種し、このほかにシノバックの職員3千人とその家族にもワクチンを接種したと明らかにした。現在、新型コロナウイルスのワクチンを接種した中国人の数は公開されていないが、100万人にのぼると推定される。

このようなことが可能なのは、中国政府が製薬会社に対して、重大な公共衛生上の緊急事態が発生した場合のワクチンの「緊急使用」を許可したことによる。

これに対して同紙は、「中国がワクチンを早く成功させるために大きな賭けをしている」とし、「このような中国の措置が、世界の感染症専門家たちを当惑させている」と批判した。検証が終わっていないワクチンは副作用を誘発する恐れがあり、また薬効がない可能性もあるためだ。

また、公務員や国営会社の職員は上部の圧力で拒否できなかった可能性がある。国際ワクチン研究所のジェローム・キム事務局長は同紙とのインタビューで、「否定的な結果を多く生む恐れがある」とし、「薬効のない未検証ワクチンを接種した人が感染しても、知らないまままき散らす恐れがある」と懸念を示した。

このような懸念にもかかわらず、中国はワクチン接種をさらに拡大する方針だ。中国当局は、「緊急使用ワクチン接種者のうち深刻な副作用を見せた人は一人もいない」と主張した。このため、来月までに学校や幼稚園の教師、大型マーケットの従業員にも対象を拡大し、11月には一般大衆にワクチンを接種する予定だ。インフルエンザの流行と新型コロナウイルスの流行が重なる場合、最悪の状況になると見て、できる限り急ぐ方針だ。

AFP通信などによると、中国当局は25日、記者会見で、年末までに新型コロナウイルスのワクチンの生産能力を年間6億1千万個に引き上げ、来年には少なくとも10億個に増やす計画だと明らかにした。中国の呼吸器疾患の権威、鐘南山・中国工程院院士は、国民を対象にワクチンを接種するのに1年ほどかかると予想した。

 

こうした中、中国で初めてワクチンの臨床試験を行ったカンシノ・バイオロジクスは、早ければ28日から1次臨床接種者を対象に2次接種を始める計画だ。27日、中国官営グローバル・タイムズは、「カンシノ・バイオロジクスが3月17日に1回目のワクチンを接種した108人を6ヵ月間、追跡観察した結果、何の副作用もなかった」とし、「彼らに対して免疫効果を最大化できる2回目の接種を近く行う」と報じた。カンシノ・バイオロジクス側は、「我々のワクチンは1回の投薬だけでも十分だが、効果をさらに大きくできることを確認するために2回目の接種を行う」と説明した。


金祺容 kky@donga.com