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楽しい家

Posted May. 07, 2020 12:53,   

Updated May. 07, 2020 12:53

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楽しい我が家!童謡や小説、ドラマのタイトルになるほど誰でも夢見る理想である。スウェーデンの画家カール・ラーションは、幸せな家庭生活を描いた絵で有名である。美しく飾った家で楽しく生きていく家族を描いた彼の絵は、まるで「幸せはこのようなものだ」と教える模範答案のような気がする。

この絵の中には、彼の自宅の台所を背景に、画家の妻と幼い二人の娘が登場する。大きな食卓の上には花瓶や照明、飲料水の皿、果物やスナックがいっぱい入った容器、高級マグセットなどが置かれている。食卓に座った子供たちは、上気した表情と目つきで私たちを見ており、右の棚の前に立った妻は、酒瓶に手を伸ばしている。修道院で作られたベネディクティンリキュールは、おそらく食卓を飾る最後の主人公であるようだ。後ろのテーブルの上には、ろうそくとカードが置かれている。タイトルが示すように、もうすぐカードゲームが始まるようだ。子供たちの目が輝く理由だ。飾り棚を満たした食器、揃えた所帯道具、食卓の上の数々の食べ物、シンプルでありながら快適に見える家具ときれいな装飾は、この家族の幸せを代弁するようだ。

ひどい貧困と父の虐待の中に育ったラーションにとって、裕福で睦まじい家庭は、いつも夢見て憧れていた世界だった。フランス・パリに留学まで行ったが、画家として成功できず、落ち込んでいた彼に夢を現実にしてくれたのは、妻のカリンだった。妻は父親から受け継いだ古い田舎の家を、夫と一緒に直して飾りながら、ここで8人兄弟(8人の子供)を産んで育てた。家族が増えるたびに、必要な家具は直接デザインして作った。それを夫に描いてみるように提案したのもカリンだった。ラーションは、自分の楽しい家を描いた挿絵集を出版してベストセラー作家になり、彼の家は、北欧で最も有名な画家の家になった。また、この夫婦が飾った家の中の風景は、スウェーデンのインテリア・デザインの標準になり、スウェーデンを代表する家具会社・イケアのモデルとなった。後日ラーションは自伝に、彼の家族と家が生涯最高の傑作だと書いた。

美術評論家