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古いものの力

Posted October. 01, 2018 08:46,   

Updated October. 01, 2018 08:46

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「都市には必ず古い建物がなければならない」

―ジェイン・ジェイコブズ、「米国大都市の死と生」

この短い文章は、瞬間的判断を要求する。同意するか?それなら当然その続きを読まなければならない。同意しないか。それでも読み続けなければならない理由がある。著者がそれほど信念を持って書いた文章である。それについての説明も充実している。質問を投げ、考えを身に着けていく上で役立つ。複雑極まりない都市問題ならなおさらである。

ジェイン・ジェイコブズは近代的都市を語るのに欠かせない米著述家であり社会運動家である。1961年に発行した「米国大都市の死と生」は、当時の米国の都市政策への痛烈な批判を込めた古典と言える。ほとんどの古典がそうであるように、引用は頻繁にされるが、読み終えた人は珍しい。600ページ近い分量なので、一人で読むよりは複数の人と一緒に読むことを勧めるほどだ。

ジェイコブズは、良い都市とは多様性を受け入れるべきだと思うし、その4つの条件として、混合的な主な用途、短い都市ブロック、古い建物、そして集中を取り上げた。その中でも「古い建物」がとりわけ強烈に迫ってくるのは、逆説的に私たちにはその価値に対する認識がないからだろう。私たちにとって古いものは古くさいものであり、古くさいものはすぐに新しいものに入れ替えなければならないだけだ。著者は、都市の多様性が感情的な側面だけでなく、経済的な面においても非常に有用なものであることを明らかにしている。古い建物は、その地域の文化であるだけでなく、経済的な豊かさにも大きく貢献するという。

都市再生が新しい話題になっている今、ジェイコブズの著書が再び注目の対象となっている。数十年が経っても有効なその洞察力と現実感覚がこの本の長所である。タイトルで「死」が「生」より前に出てくることが多くの人々を混乱させている。しかし、結局都市とは、数えきれないほど死んで再び生き返る、すなわち再生の過程を繰り返すという意味で、これ以上適切なものはない。


李沅柱 takeoff@donga.com