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A高校事態の「共犯」

Posted August. 31, 2018 08:20,   

Updated August. 31, 2018 08:20

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「うちの娘はあなたの娘の付添ではない」。30日、ソウル江南(カンナム)にあるA高校の正門に、憤った母親たちが張り紙を貼った。この学校の教務部長が、並んで文系と理系でトップとなった双子の娘が受ける試験用紙と正解を事前に検討した、という監査結果が発表されると集結したのだ。母親たちは娘の授業を妨げるのではないかと思って、掛け声を叫ぶ代わりに沈黙を守った。警察の捜査で明らかになるだろうが、試験紙と正解流出の事実如何とは関係なく、韓国教育は死亡宣告を控えている。

◆試験用紙流出が事実と明らかになれば、公教育の根幹が揺らぐことになる。A高校は年間数十人ずつをソウル大学、延世(ヨンセ)大学、高麗(コリョ)大学に進学させる。このような名門高校で、教師が直接反則をしており、これまでの試験用紙流出事件とは波紋が違うだろう。ただでさえ、学校の実力を信じることができず、塾に通わせているのに、公教育の「最後の砦」である教師の職業倫理さえ崩れたなら、学校はそれこそ不信地獄だ。警察の立ち合いの下、試験出題と配布が行われ、教室ごとに監視カメラを設置すべきだという要求が殺到するだろう。高校の内申を反映する学生簿総合選考(学総)など、現行の大学入試も危うくなる。

◆教師の裏切りも後味が悪い。A高校の教務部長は、娘たちが「高校入学後、塾に通わせたところ、成績が上がった」と釈明した。該当塾で娘たちが属するレベルでは全校トップは難しいという反論が出たことで、「隠し」ていた事件は、より大きくなった。初めて教育分野の取材を始めたとき、ソウル江南で私教育をさせていない母親たちをインタビューしたことがある。記事にはならなかった。危うく教師も通わせる塾に通わせるなというところだったという気がした。取材で会った教師たちは、「先行学習が日常になって教室が崩壊した」と主張した。

◆一方、事実でなくても、その教師と双子の姉妹は、通常の学校生活が困難になった。成績がぐんぐんと上がったのに、よくやったという褒め言葉どころか、過酷な叱責を受けた。友達のノートまで盗むと言われる血も涙もない内申競争のいけにえになったのだ。韓国教育のひどい姿だ。あらかじめ教えた親が問題なのか、教えなかった教師が問題なのか、政治によって歪んだ教育行政が問題なのか分からない。ひょっとすると誰もがA高校事態の「共犯」ではないか。


禹慶姙 woohaha@donga.com