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バーバラ・ブッシュ氏の葬儀

Posted April. 23, 2018 08:27,   

Updated April. 23, 2018 08:27

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1990年、米名門女子大学ウェルズリー大学で、卒業式を控えて小さな騒ぎが起きた。ファーストレディが祝辞をすることを巡って、一部で「夫が大統領だからといって演壇に立つことができるだろうか」と「資格」を問題視したのだ。その主人公はほかならぬバーバラ・ブッシュ夫人。

◆しかし、ブッシュ夫人は余裕のある笑顔で卒業式の演壇に上がった。続いて「今日の観客の中に、私の道に沿って、大統領の配偶者としてホワイトハウス入りする人がいるかもしれませんね」という一言で、状況を一気に反転させた。「彼がよくなることを願います(I wish him well)」。「女性大統領」の願いを込めたスピーチに歓声があふれた。自分に反対した学生たちに内心不快感を感じてもいいはずなのに、かえって政治名門家を率いた女性らしい品格と気概を見せたのだ。

◆第41代大統領であるジョージ・ブッシュの妻、第43代大統領であるジョージ・W・ブッシュの母親。彼女の死亡ニュースが伝えられた後、「史上最高のファーストレディ」という評価とともに、追悼の熱気が熱い。21日(現地時間)、テキサス州ヒューストン市で開かれた葬儀では、とりわけ偽真珠のネックレスに青いドレスを着た女性たちが目立った。白髪にしわのできた顔、偽のネックレスがトレードマークだった「国民ばあちゃん」を追悼する装いだった。

◆全米に生中継された葬儀に、4人の元大統領と4人のファーストレディが一緒に出席した。夫と息子夫婦をはじめ、ビル・クリントンとバラク・オバマ夫婦、現職ファーストレディが彼女の最後の道を見送ったのだ。米メディアは、元大統領でもないファーストレディの葬儀としては異例だとし、「異なる政党の元大統領たちが一緒に悲しみを分かち合う姿が印象的だ」と紹介した。二人も元大統領が拘束収監された私たちにとっては、羨ましいシーンである。ホワイトハウスの警護室は、大統領とその家族にコードネームを付ける。ブッシュ夫人のコードネームは「tranquility」(平穏)。彼女は大統領である夫の権力を借りた慌ただしい対外活動ではなく、優しくて素朴なファーストレディとして米国人の胸に長く残るだろう。