Go to contents

危機のニューヨーク公共交通機関、新技術で生存の突破口

危機のニューヨーク公共交通機関、新技術で生存の突破口

Posted December. 11, 2017 09:51,   

Updated December. 11, 2017 11:27

한국어

米ニューヨークの象徴ともいえる「イエローキャブ」を運転するタクシー運転手のファン・ギルジェ氏(48)は最近、JFK国際空港に車をつけて夜を明かすことが一段と増えた。1台のタクシーを二人で借りて交互に運営しているが、収入が大幅に減ったためだ。ファン氏は、「4年前にタクシーを始めたときに比べると、収入は20%ほど減少した。30%以上減少した人もいる」とし、「夜を明かして空港客でもつかんでこそ、減少した収入を少しでも補うことができる」と話した。

ニューヨーク・タクシーを短期間でこのように崖っぷちに追いやったのは、スマートフォンで車両の所有者と乗客とをつなぐウーバーやリフトのような交通ネットワーク会社の躍進である。ウーバーは今年7月、初めて車両台数、運転手数、一日平均利用回数においてすべてニューヨークタクシーを上回った。

●「ウーバーはウーバー技術で」ニューヨークタクシーに対抗

2日午後、セントラルパークの南端からウーバーに乗って、ウォール街に移動した。スマートフォンで車両を呼び出してから3分が経つと、ミナラという名のウーバー運転手がトヨタ・カムリを運転しながら現れた。料金は20ドルほど。同じ距離をタクシーで行くためには30ドルにチップまで上乗せしなければならない。交通渋滞で料金が増える心配もない。アレクサンダー・リレーブラ氏(女・ニューヨーク市民)は、「一般タクシーは料金がいくら出るか分からないが、ウーバーは料金も安くて、アプリで事前に料金を知ることができるので、より便利である」と話した。

ウーバーは2015年、車両数でニューヨークタクシーを上回った。今年7月は、一日平均利用回数でも上回った。運転者は、ウーバーが約5万人。ウーバーと同様のサービスを提供するリフト、ビアなどまで合わせると、6万人にのぼる。一時3万3000人に達していたニューヨークタクシーの運転手は、今はウーバーの半分程度である2万5000人に過ぎない。2014年は130万ドルで取引されたニューヨークタクシーの免許(メダリオン)の取引価格は、3年間で約6分の1である20万ドル台に下落した。

ニューヨークタクシーも自己救済策作りに乗り出した。ウーバーの技術を逆利用して、スマートフォンで乗客とタクシー運転手とをつなぐ「ハイブリッドタクシーサービス」である「カーブ」アプリを今年披露したのが代表的である。

●「のろま」ニューヨークバスの生存実験

乗客から背を向けられているのは、ニューヨーク・バスも同じ。米大都市の中でも有名な「のろまバス」で悪名が高い。一方通行の道に歩行者と乗用車が入り混じって慢性的交通渋滞が繰り返されるマンハッタンなどを経なければならず、スピードが出せない。ニューヨークバスの平均スピードは時速11.9キロで、ロサンゼルス(17.2キロ)の70%に過ぎない。

マンハッタンで短距離をバスで移動すると、歩く時間と似たり、もっとかかることもある。乗客がのろまバスを背を向けたことで、2002年以降、地下鉄乗客は24.2%伸びたものの、バスの乗客は16%減少した。

同日、マンハッタン55番街と2番街の間に歩道に、新しいバス停の建設が盛んだった。バスの運行速度を上げて、減少した乗客を取り戻すために、ニューヨークメトロポリタン交通局(MTA)が拡大している「選別バス(Select bus)」の路線工事だ。

選別バスは、防犯カメラが設置された専用車線を走る。乗客たちは料金をバスに乗る前に、バス停で決済し、前後のすべてのドアから乗車する。乗客たちがフロントドアから乗りながら、料金を払うため、運行時間が遅れているからだ。バス停の数も減らし、車両の到着時間などを知らせる知能型情報システムも導入した。MTAは選別バス路線のバス運行速度が10~30%速くなったと明らかにした。

●試行錯誤を通じて「ハイブリッド公共交通」の開発が必要

ニューヨークの新しい公共交通機関のサービスに対する市民の反応は交錯している。選別バスの場合、乗車券を事前に支払う必要があることを知らず、慌てる市民が少なくない。韓国のカカオタクシーのように新技術と組み合わせたニューヨークタクシーの「カーブ」アプリも、道のりが長い。ウーバーと違って、決まった料金を受けなければならないことと広報不足のためである。

しかし、交通専門家たちは、交通ネットワーク会社の新技術と公共交通機関の競争は避けられないと見ている。新技術を無条件食い止めるよりは、公共交通機関の補完材と革新のための触媒として活用するように、代案を模索しなければならないという指摘だ。ジョン・オコット・ニューヨークトランジットセンター局長は、「公共交通機関への新たな技術が続々と登場している」とし、「ニューヨークはどのような政策が新技術に適しているかを巡る議論を通じて、解決策を見つけている」と語った。



朴湧 parky@donga.com