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メイウェザー、10回TKO勝ちで世紀の一戦を制す

メイウェザー、10回TKO勝ちで世紀の一戦を制す

Posted August. 28, 2017 09:25,   

Updated August. 28, 2017 09:28

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異変はなかった。だが、「世紀の一戦」との名に相応しい一戦だった。一瞬も目が離せないほどの張り詰めた緊張感が流れた。

27日(韓国時間)、米国ネバダ州のラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われた世界ボクシング評議会(WBC)スーパーウェルター級(69.85キロ)のプロボクシング試合でフロイド・メイウェザーjr(40=米国)がコナー・マクレガー(29=アイルランド)に10ラウンド1分45秒にTKO勝ちを挙げた。

メイウェザーはこの勝利で通算成績を50勝無敗とし、ボクシング史に大記録を残して引退することになった。マクレガーは負けたものの伝説の無敗ボクサーを相手に対等な戦いぶりを見せ、総合格闘界のプライドを守った「英雄」に浮上した。とくに10ラウンドまで勝負を持ち込む驚異的な闘志を発揮し、彼の敗北を当然視した専門家たちさえも「予想しなかった結果」と評価した。

ボクサーと総合格闘家による史上初のボクシング対決は、世界の耳目を集中させたスーパーイベントだったが、最初からマクレガーの完敗が予想される戦いだった。全身を使うマクレガーがパンチだけで49戦全勝を挙げたメイウェザーを相手にすること自体「言語道断」だった。しかし、マクレガーは序盤から堅実なボクシングスキルを発揮。「ラッキーパンチ」を狙って序盤からがむしゃらに強い攻撃に出て相手を圧迫するだろうという専門家たちの予想を見事に裏切り、着実な試合展開を見せた。3ラウンドまで、メイウェザーはマクレガーの長いリーチ(メイウェザー183センチ、マクレガー188センチ)のため、距離を縮められず有効打を繰り出せなかった。むしろマクレガーが何度か脅威的なパンチを繰り出した。メイウェザーは試合終了後のインタビューで、当時に状況について「試合序盤は危なかったし、粘って後半戦を狙った。10ラウンドTKO勝ちは狙い通りだった」と話した。マクレガーの攻撃が実際に相当脅威的だったことを打ち明けたものだ。

2015年にマニー・パッキャオ(39=フィリピン)との対戦で正面からの勝負を避け、批判を浴びたメイウェザーは「今回の試合では判定まで行かない」と公言していた。このため、今試合は打ち合いになるだろうとの見方もあった。だが、メイウェザーは守りに集中しながらチャンスを伺った。4ラウンドからマクレガーの体力が急激に落ちた。メイウェザーは距離を縮めながらマクレガーの腹部と顔面に相次いで有効打を打ち込んだ。半面、マクレガーのパンチは空振った。重量感のあるパンチは出なくなった。

9ラウンド以降はマクレガーの足が完全に止まった。メイウェザーは、その隙を逃さずに追い詰めた。10ラウンドのゴングが鳴るや否やライトストレートを正確にマクレガーの顔面に打ち込んだ。マクレガーはロープをつかんで辛うじてピンチをしのいだ。レフェリーのロバート・バード氏は試合を続けられないと判断し、メイウェザーの勝利を宣言した。試合後、マクレガーは「序盤は十分可能性があると思った。レフェリーが試合を止めて惜しかった」と話した。

マクレガーの敗因について、元WBCジュニアフライ級王者で17度の防衛を誇るユ・ミョンウ解説委員は、「マクレガーが、体力を温存しながらラウンドを消化する能力においてメイウェザーに負けたようだ」との見方を示した。ユ氏は、その上で「初めてのボクシングマッチへの緊張感やプレッシャーのため、後半から急激に体力が落ちたようだ」と話した。

現役の格闘技選手でこの日の対戦のテレビ中継解説を行ったキム・デファンUFC解説委員は、「他の選手だったら10回前に倒れているところだが、マクレガーは打たれ強いから粘れたのだ」と言い、「総合格闘技とボクシングとでは使う体力が違うことをメイウェザーが正確に見抜いて攻略したようだ」と話した。

試合前は罵り合った二人だが、試合が終わると互いを持ち上げた。メイウェザーは公式引退を宣言し、「マクレガーと最後の試合ができたことを嬉しく思う」と語った。マクレガーは、ボクシングを続けるのかという質問に対し「オクタゴン(総合格闘技のリング)に戻る」と言い切った。



金相勳 corekim@donga.com · 兪載泳 elegant@donga.com