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金正恩氏と膝を突き合わせるという文大統領、首脳会談を語るのは時期尚早だ

金正恩氏と膝を突き合わせるという文大統領、首脳会談を語るのは時期尚早だ

Posted June. 16, 2017 08:35,   

Updated June. 16, 2017 08:36

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領が15日、6・15南北共同宣言17周年記念式の祝辞を通じて、「私は膝に突き合わせて、どのように南北間合意を履行していくのか協議する意向がある」と明らかにした。また、「北朝鮮の核の完全な廃棄と韓半島の平和体制の構築、そして米朝関係の正常化まで包括的に議論できる」と述べた。金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長には言及しなかったが、南北首脳会談で6・15宣言、10・4宣言などの履行を議論する用意があり、これを核問題の解決策とするという意味だ。事実上、過去の太陽政策の復活を明らかにしたと解釈しても無理はないだろう。

2000年6月に金大中(キム・デジュン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記が締結した6・15共同宣言は、「統一問題を我が民族どうし自主的に解決」し、「韓国側の連合制案と北朝鮮側の低い段階の連邦制案の共通性を認め、その方向で統一を指向」するというのが大きな骨子だ。離散家族の面会や経済・社会・文化交流の活性化なども含んでいる。分断後、南北首脳間の初の合意であり、一部で関係改善の成果があったものの、結果的には北朝鮮への一方的な供与の根拠となった。特に統一関連の部分は、「自由民主的基本秩序に立った平和的統一案を樹立し、これを推進する」という憲法第4条に反するという論議が大きかった。

文大統領は過去の南北合意が政権交代で履行されなかったことに対して遺憾を吐露したが、北朝鮮は南北対話を核・ミサイル開発の時間を稼ぎ、財源を調達する手段とだけ考えている。14日の祖国平和統一委員会の声明も、「特に西海(ソヘ・黄海)熱点地域の北方限界線を守ると固執してはならない」と文在寅政府に迫った。西海共同漁労区域と平和水域の設定が盛り込まれた2002年の10・4共同宣言と関連して、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領がNLL(北方限界線)の放棄発言をしたかどうかをめぐる論議と一脈相通じる攻勢だ。文大統領に過去の政権の借金を請求する意図が明らかであるにもかかわらず対話を急いでは、何か濡れ衣を着せられるかも知れない。

休戦体制を克服して韓半島の平和体制を構築するには、北朝鮮の核とミサイル放棄が前提にならなければならない。北朝鮮の行動を先に要求するのではなく、米国と北朝鮮が同時に動いて関係正常化と非核化を成すようにするというのは、韓国の主導的な力量の過信によるのでないのか、冷徹に見なければならない。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが、文在寅政権が強大国間の均衡者の役割をして対北交渉を追求しようとすることに「このような純真さは、韓国の安全を危険にさらす」と指摘したのも無理はない。国際社会が対北制裁に力を注ぐ状況で新政権が開城(ケソン)工業団地の再開まで考えるなら、韓国も「のけ者」になるかも知れない。文大統領から厳しい現実を直視しなければならない。