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トランプ氏の圧迫による国内企業の「韓国脱出」を食い止める手立てはあるのか

トランプ氏の圧迫による国内企業の「韓国脱出」を食い止める手立てはあるのか

Posted January. 09, 2017 08:30,   

Updated January. 09, 2017 08:32

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ドナルド・トランプ米次期大統領の自国利己主義が、グローバル企業各社の経営に影響を及ぼし始めている。トランプ次期大統領は5日(現地時間)、ツイッターで、「日本のトヨタがメキシコに工場を建設するなんて、とんでもない話だ。工場を米国に建設するか、それとも国境税を払うべきだ」と警告したのがその発端となった。トヨタは直ちに、「トランプ政権と一緒に自動車産業に協力していきたい」という声明を出して一歩引き下がった。6日、LG電子の趙成珍(チョ・ソンジン)副会長は、世界最大家電見本市「CES2017」行事で、「米国内での生産工場建設如何ついて上半期中に決定したい」と明らかにした。

企業がメキシコで安価で生産した製品を米国に輸出したからといって、付加価値税性格の国境税をかけるのは、自由貿易を根幹とする世界貿易機関(WTO)のルール違反と受け止めることもできる。しかし、日本の麻生太郎財務相は、トランプ国境税の不合理性を突きつけるよりは、トヨタが米国で多くの自動車を生産しており、米国内雇用に貢献していることを説得することに力を入れている。常識の通じないトランプ政権に立ち向かっては、耐え切れないブーメランとなって帰ってくることもありうるという力の論理を見抜いたのだ。

企業の生産基地は、税金だけでなく、その立地や営業環境を総合的に考慮して決められる。したがって、LG電子の北米工場建設計画は、トランプの発言のためにいきなり出てきたものではないだろう。にも拘わらず、米国に工場を建設する企業には恩恵を与え、別の国に工場を置く企業には不利益を与えるトランプ政権の戦術が、企業決定に大きな影響を与えることだけは確かだ。メキシコに工場を置く大手企業だけでなく、国内の別の企業各社が生産基地を米国に移転しようとするなら、雇用や税金が国内から流れ出ることもありうる。

8日閉幕したCESで、グローバル企業各社は人工知能(AI)を活用した自律走行車を皮切りに、増強現実(VR)やモノのインターネット(IoT)、ドローンなどの新製品を出しながら、技術の限界を乗り越えたことを立証した。中国のスマートカーやスマートフォン企業各社の躍進は、韓国を脅かす水準となっている。技術融合や超連結性の第4次産業革命の世界で、韓国企業各社は保護貿易主義や政治的不確実性という内外の悪材料に足を引っ張られている。

政府は2013年、海外進出企業の国内へのUターンを促すための「Uターン企業への支援法」を制定したが、この法の適用で国内に戻ってきた中小企業は約80社にとどまっている。大企業の中ではLG電子ぐらいが一部の施設を国内に回した。野党圏は、法人税引き上げを主張しているが、企業が出て行けば、法人税よりさらに多くの税金を別の国に払わなければならない。依然、政治圏だけが別の世界を生きている。