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去痰薬からトラウマ治療効能を発見、国内研究チームが世界に先駆けて臨床試験

去痰薬からトラウマ治療効能を発見、国内研究チームが世界に先駆けて臨床試験

Posted August. 18, 2016 07:52,   

Updated August. 18, 2016 08:12

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国内研究チームが、外傷後ストレス障害(PTSD)の治療薬物を世界で初めて発見し、臨床試験に突入した。いわば「トラウマ」と呼ばれるPTSDを患う人たちは、自分が経験した事故や事件を連想させる状況や場所、物などに接すれば、激しい不安に駆られる。

梨花(イファ)女子大・脳認知科学科の柳仁鈞(リュ・インギュン)とキム・ジウン教授の研究チームは、PTSDや恐怖症克服に効果のある薬を発見し、食品医薬品安全処や臨床試験審査委員会(IRB)を通じて臨床試験の許可を受けたと、17日明らかにした。

この薬物は、去痰薬として使われていた「N-アセチルシステイン」の新しい効能を見つけたものであり、いわば「薬物レポゼッション(drug reposition)」の過程を経て開発された。毒性試験が要らないので、すぐに2床臨床試験の許可が得られた。

研究チームは人に対し、コンピューターモニターに特定の色を見せながら軽い電気衝撃を与える方法で恐怖記憶を学習させた。この経験をした人は、同じ色を見れば、電気衝撃が無くても恐怖反応を見せる。研究チームは、昨年行った予備臨床試験で、この薬物を服用した人は、そうでない人より恐怖反応が15~20%減ることを確認した。

これまでは、動物実験で脳神経を刺激する方法で恐怖記憶自体を無くそうとする試みはあったが、ほかの記憶は維持しながらPTSDの症状を減らす薬物はなかった。研究チームは現在、一般人100人余りを対象に、薬物効能を確認しており、約3か月後は数十人の実際のPTSD患者を対象に試験を行う計画だ。

金教授は、「1、2年内に製品化できると見込んでいる」とし、「仮想現実を活用して、恐怖反応を減らす認知行動治療を並行すれば、PTSDや恐怖症克服に大きく役立つだろう」と話した。



송경은 ソン・ギョンウン東亜サイエンス記者 동아사이언스기자kyungeun@donga.com