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夏の夜に聞くマーラーの交響曲「夜の歌」

夏の夜に聞くマーラーの交響曲「夜の歌」

Posted July. 12, 2016 07:50,   

Updated July. 12, 2016 08:18

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夜がなおさら親しく(恋しく)感じられる季節です。真昼の照り付ける日差しや体に纏わり付く熱気も、夜になって涼しい風が吹けば、しばし忘れることができます。昼に後回しにした散歩も、夜の風に吹かれて出かける季節です。蚊に刺されることさえなければ、本当にいい季節ですよね。

こんな季節のために大事にとっておいた「夜の音楽」を取り出します。モーツァルトは、複数の楽章からなる「セレナーデ」を何曲か作曲しました。元来、セレナーデとは、「夜の歌」を意味し、イタリアでは恋人の窓の前でギターを弾きながら歌った恋の歌でもあります。

「窓の外」に起源を置いているジャンルだけに、バロックの作曲家たちは太鼓(打楽器)とラッパ(金管楽器)がハーモニーをなす屋外用の夜の演奏音楽であるセレナーデを発展させ、これらの音楽は、その大半が燃え盛る明るいたいまつの下で演奏されました。これを引き継いだモーツァルトの複数のセレナーデも、ひっそりとした夜の雰囲気と共に、どこかとんでもない明るくて強烈な感じも持ち合わせています。

このジャンルで最も広く知られている作品は、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(小さな夜の音楽)K.525です。作品名に「セレナーデ」という表現はありませんが、ドイツ語で解説したタイトルにすでに「セレナーデ」の意味が表現されています。この曲をよくお聞きの方なら、同じくモーツァルトの曲であるセレナーデ第6番「セレナータ・ノットゥルナ」(夜のセレナーデ)K.239も、お聞きになることをお勧めします。

やや無茶に聞こえるかもしれませんが、私は、マーラーの交響曲第7番「夜の歌」も、こんなセレナーデの伝統から出てきた作品だと思います。モーツァルトの時代から一世紀もさらに経ってから書かれた上、80分に上る膨大な長さの曲ではあるが、静かな夜の感じの後に、最後の楽章ではとんでもない強烈さが続くことから、一緒に連想されることが多くあります。交響曲としては一風変わって、ギターやマンドリンが登場することも興味深いことです。セレナーデの伝統が始まったイタリアとスペインで愛される「南国の楽器」でもあります。

14日、京畿富川市(キョンギ・ブチョンシ)にある富川市民会館の大講演場では、バク・ヨンミンが指揮する富川フィルハーモニーオーケストラが、マーラーの交響曲第7番「夜の歌」の交響曲を演奏します。公演の名残の胸に抱えて、公演会場の近くの明るい灯りの下で、誰かと「チメック(フライドチキン+ビール)」でも楽しむことができればいいですね。蚊に刺されないことを願いなら。



유윤종 ユ・ユンジョン記者 기자gustav@donga.com