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[オピニオン]「不通」の野球の神、金星根

[オピニオン]「不通」の野球の神、金星根

Posted April. 20, 2016 08:45,   

Updated April. 20, 2016 08:45

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今季の優勝候補にまで挙げられたハンファ・イーグルスの勝率が1割台に墜落した。5連敗を記録し、今は最下位(10位)だ。日本人投手コーチは開幕2週でチームを去った。金星根(キム・ソングン)監督の長男、金廷俊(キム・チョンジュン)戦力分析コーチは「小統領」とまで呼ばれている。息子の問題で苦境に追い込まれたかつての大統領のことを思い出させる。

◆非難は金監督に降りかかっている。野球関連のネット掲示板には、彼の独善と不通のリーダーシップを批判する書き込みで埋め尽くされている。選手団の運営が不透明で投手が乱れるとイニングに関係なく降板させる特有の「蜂群れ」起用法も批判の対象となっている。5連敗を喫した日も、夜遅くまで選手たちに「特別打撃練習」をやらしたことや、14日に1回から救援で登板したソン・チャンシクが4回3分の2を投げる間、実に12点を与えている状況でも投げさせ、「罰投球」ではないかと言われることも「酷使リーダーシップ」と批判されている。

◆金監督は昨年、劇的な勝負で麻薬のようにファンを引き付けるとされ「マリハンファ」の異名をチームにもたらした。選手団の年俸総額が全球団1位に上るほど型破りの支援も得た。プロ球団で成績は全ての評価を変える根拠となる。良いときは褒め称えられた彼のやり方は、成績が出なくなると良くない古いリーダーシップになってしまった。

◆市井では金監督と朴槿恵(パク・クンヘ)大統領のリーダーシップがオーバーラップするとの話まで聞かれる。全てを一人で決め、直言を認めないスタイルが似ているという。野球ファンたちは、「今の金監督に必要なのは、『野球の神』の独善を捨て、コーチ陣と心を開く『父のリーダーシップ』だ」と口を揃える。朴大統領に「母のリーダーシップ」が必要だとする世論があるのと同じようにだ。監督の危機はチームの危機だが、大統領の危機は国の危機だ。金監督は9チームだけを相手にするが、大統領は大きくなった野党と北朝鮮、世界の強国を相手しなければならない。大統領の任期は1年10ヵ月残っている。金監督は全144試合のうち、たった10試合あまりを行っただけだ。二人とも、信頼を回復するためには手痛い反省が伴わなければならない。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員