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[オピニオン]金武星の役職公約

Posted April. 11, 2016 07:24,   

Updated April. 11, 2016 07:32

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与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表ほど個性的な政治家も稀だろう。言うべきことはきちんという方だ。線の太いボス気質ともいえる。権威的でもない。このような前向きな評価と共に、決断力が足りないという批判もついてくる。何かを強く主張しても、踏ん張り切れず、途中で引き下がる「30時間の法則」という皮肉も聞かれている。しかし、いざ本人はこれを弱みとは思っていないようだ。曲がるものは、すなわち妥協であり、民主主義だと思っている。金武星らしいいいわけだが、もっともらしい側面がないわけでもない。

◆金代表の総選挙遊説スタイルは一風変わっている。支援する候補は皆欠かさずおんぶし、「当選すれば○になるだろう」という役職公約まで口にしている。一昨日まで党事務総長の肩書が与えられた候補だけでも、李明洙(イ・ミョンス)、洪文杓(ホン・ムンピョ)、車明進(チャ・ミョンジン)、金兌原(キム・テウォン)、韓善敎(ハン・ソンギョ)、宋泰永(ソン・テヨン)、李性憲(イ・ソンホン)、朴鍾熙(パク・ジョンヒ)、李鶴宰(イ・ハクジェ)、姜起潤(カン・ギユン)の10人に上る。党政策委議長(車明進、鄭鎭燮)、院内代表(權寧世)、代表(鄭宇澤、權寧世)に、国会常任委員長(鄭鎭燮、李鶴宰)、予算決算委員長(朴敏植)、副議長(黃震夏、鄭宇澤)、さらには労働部長官(姜起潤)や大統領(鄭宇澤)の肩書まで保障された候補もいる。

◆金代表の役職公約は、昨年の4.29再選補欠選挙の時もあった。首都圏の申相珍(シン・サンジン)、安商守(アン・サンス)、呉晨煥(オ・シンファン)候補に、「地方区に予算爆弾を浴びせかけることができるよう、予算決算特別委委員を任せる」と約束したが、当選御、実際その約束を守った。ただ、今回はそのいいか方が「なるだろう」に変わっている。総選挙後に辞任する党代表が、誰が新代表になるかすらわからないのに、勝手にやらせるポストでもない。国会議長団や院内代表は議員らが選出する。しかし、後はどうであれ、聴かされる候補も、見守る有権者も楽しいから、支援遊説の空世辞にしては上級ともいえる。

◆実際、政党や国会には名誉と報酬の両面でなかなかおいしい役職がごまんとある。総選挙後なら、与野党共に大々的な党役職の再編があるだろう。第20代国会が開院すれば、国会議長団や常任委員長らは全員入れ替わる。それらは総選挙で当選する議員らのものになる。役職はほかならぬ権力や金の象徴ともいえる。議員になっただけでも物凄い役職だ。総選挙はほかならぬ「役職戦い」でもある。

李進寧(イ・ジンニョン)論説委員 jinnyong@donga.com