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[オピニオン]朴大統領とゼロエネルギービル

[オピニオン]朴大統領とゼロエネルギービル

Posted July. 21, 2014 05:09,   

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英ロンドンのべディトンゼロエネルギー団地は、消耗するエネルギーの分だけ、ビル全体でエネルギーを作り出すことのできる「ゼロエネルギービル」だ。太陽によく当たるため、20度傾いた南向けで建てられ、屋根には、太陽光パネルや換気タワーが設置されている。この団地は、エネルギーの使用を最小化することから、さらに一歩進んで、太陽光地熱など、新再生エネルギーを積極的に生産し、エネルギーを自給自足している。

◆わが国で、建築物が占めるエネルギー使用量は、全体の20%だ。今の傾向が続けば、まもなく40%まで上がるものと見られる。建築物は、少なくとも30年以上保つことになる、最初から、エネルギービルを建設すれば、エネルギー削減の効果が大きい。米国や英国、ドイツは、ゼロエネルギービルの達成を、国家目標にまで定め、金融支援や技術開発を促すことと、未来の建築市場を先取りするためだ。20年まで、欧州連合(EU)は新築の建物を、米国は連邦政府の建物をゼロエネルギービルとして作る目標を持っている。

◆朴槿恵(バク・グンへ)大統領が、このビルに関心を持ったのは、今年3月のドイツ歴訪の時だ。ドレスデンにある先端セラミック素材研究所のフラウンホーファーIKST研究所を訪れた時、エネルギー関係者から、ゼロエネルギービルについての説明を聞いた。その後、朴大統領は、「気候変動やエネルギー枯渇に影響を受けない画期的技術だ」とし、商用化対策作りを指示した。昨年、電力難があれほど深刻だった時も、大統領府にエアコンを稼動しなかった朴大統領なだけに、エネルギー削減はもとより、技術開発にも役立つなんて、すぐに耳に入っただろう。

◆でも、国内建築業界は、冷めた反応を見せている。ゼロエネルギービルは、一般建築物に比べ、工事費が30%以上高いが、補助金や税制上支援などない。先進諸国では、初期建築費が高くても、数年後に、電気料金をまかなってもあまりがある。一方、我々のように、電気料金の安い国では、わざわざエネルギービルを建てる必要性を感じていない。国土交通部が、ゼロエネルギービルの商用化のため、建築基準の緩和や税制支援策をまとめたが、より重要なのは、電気料金を現実化することではないだろうか。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com