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[オピニオン]「象」のインドのモディノミクス

[オピニオン]「象」のインドのモディノミクス

Posted May. 15, 2014 08:41,   

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アジア取材の経験や知識の豊富な米ジャーナリストのロビン・メレディスは、中国を龍に、インドを象に喩えている。「毛に打ち勝った中国、ガンジーを乗り越えたインド」というタイトルで韓国で翻訳・刊行された著書の原題も、「象と龍」だ。メレディスは、インドのコラムニストの言葉を引用し、「インドはずしずしと音を立てて歩き始めた象」だと記した。

◆人口基準で世界最大の民主主義国のインドは、1947年の独立後、経済政策で反産業化や社会主義の色彩が濃かった。「永遠な師匠」のマハトマ・ガンジーや初代首相のジャワハルラール・ネルーの影響が大きかった。インドが、市場経済改革の一歩を踏み出したのは、長年の左派民主主義が、経済を破綻させた事実が明らかになった1991年のことだった。毛沢東の極端的左派路線で駄目になった中国を、頳小平が改革や開放へと方向転換してから13年後のことだった。

◆最近、インドの総選挙で、親企業成長路線のインド国民党が、10年間政権の座についていた国民会議党に圧勝したという、出口調査の結果が出た。次期首相として有力視されているインド国民党のナレンドラ・モディは、01年から10数年間、グジャラート州の知事として、高度成長を成し遂げた主役だ。企業や成長、市場を重視する氏の経済政策は、「モディノミクス」という新造語を生んでいる。総選挙直後、新政府への期待を反映してインドの株価は高騰し、急激な通貨安が進んだ。

◆政権党の国民会議党の首相候補は、インド第1の政治名門家「ネルー・ガンジー家」のラフル・ガンジー副総裁だった。ジャワハルラール・ネルー、彼の一人娘のインディラ・ガンジー、インディラの息子のラジブ・ガンジーは共に、首相を歴任した。ラジブとソニアー・ガンジー(現在の国民会議党党首)の息子のラフルは、「皇太子」と呼ばれている。一方、モディは、若者時代、インド流紅茶を街中で売った賤民出身だ。「ネルー・ガンジー家」は、成長率の墜落や腐敗で、民心から背を向けられ、「露天商の成功神話」のモディに惨敗した。実際にモディ政権が発足すれば、困難は多いだろうが、ポピュリズムの代わりに、成長や雇用を強調した「物乞い出身の右派政治家」の呼びかけに共感し、大量の票を投じた14年のインドの選択に、世界が注目している。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com