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許されないドラマの中の児童虐待

Posted March. 25, 2014 04:51,   

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8歳の少女・チョン・スルギは、産みの母親が家出した後、継母と一緒に暮らしている。継母は、生母から見捨てられたスルギの傷跡をいたわるどころか、スルギを虐待することで、夫の実家へのストレスを解消する。「うそつきは、口を縫いつけてしまうぞ」という暴言を振るったり、それに反発すればピンタを食わせる。スルギが泣くと、ほかの家族に聞こえることを気にし、子供の口をふさいで、「お前は、母親の所にもいけないし、母の実家にも行けないんだ。ここで、私と暮らさなければならないんだ」と目をむく。

スルギのおぞましい物語は、金秀賢(キム・スヒョン)作家のSBS週末ドラマ「3度も結婚する女」に出てくる内容だ。スルギの産みの母親であるオ・ウンス役はイ・ジア、継母のハン・チェリン役は、ソン・ヨウンが演じ、スルギ役は、子役タレントのキム・ジヨンさんが演じている。

このドラマの視聴率は、前半は一桁に止まっていたが、スルギが、継母から虐待を受ける度合いが激しさを増すと、それに比例して、16%台まで上昇し、今は、同時間帯トップの座を守っている。最初は金作家が、児童虐待問題を取り上げようとしてのことだろうと思い、その期待を捨てなかった。金作家は、その前作「人生は美しい」で同性愛を、「子供がないのが最高の幸運」では、未婚の母を登場させ、敏感な社会問題を勇気をもって扱ったという評価を受けた。

しかし、先週末、金作家への期待が崩れた。スルギが虐待を受けた事実を後で知った産みの父親のチョン・テウォン(ソン・チャンイ扮)は、妻に離婚を求めた。しかし妻が、スルギと同じ年頃に、産みの父親の暴力に苦しんだことを告白すると、一瞬にして妻の肩を持つようになった。ハン・チェリンの児童虐待は、なかったことになってしまい、スルギが経験したおぞましい出来事については、それ以上触れられることなどなかった。

スルギを見ていれば、昨年10月、学校の遠足の日の朝、継母に殴られて死亡したスルギと同年代の女の子が思い出される。その年の12月、国会は、「児童虐待犯罪の処罰などに関する特例法」を作って、児童虐待が犯罪であることを明確にした。

視聴者より、一歩先立って問題を提起するどころか、立法のペースにすら追いついていけないドラマを目にしながら、視聴者らは、「児童虐待を視聴率上昇の手段として悪用した作家に腹が立つ」、「金秀賢時代の終焉を見ているような気がする」と批判している。金作家の長年のファンである記者の考えも、これと変わらない。