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[オピニオン]美容整形工場の医師

Posted March. 14, 2014 06:31,   

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全身の美容整形が義務化した国がある。子供たちは、生まれつきまま暮らしては、16歳の誕生日になると、彼岸の「キレイ」な世界に渡って全身美容整形手術を受ける。瞳孔を割って虹彩にグリッターを注入し、プラスチックを入れて骨格をキレイに整える。歯は蝕まない強いセラミックに取替えられ、顔の骨を削るのは基本だ。もちろん実在する国のことではない。米国のSF作家、スコット・ウェスター・フェルドの小説「アグリーズ」の舞台となった仮想の国だ。

◆小説は、キレイになりたい少女たちの願望と、その代償を取り扱った成長物語だが、容姿至上主義に対するゾッとする警告もある。小説を読んだ筆者は、もしも現実に存在する美容整形国家があるとすれば、わが国ではないだろうか、と思った。国際美容整形手術協会(ISAPS)によると、美容整形手術件数の世界一は米国だという。ところが、人口当たりの手術件数では、1000人当たり16人の韓国が最も多かった。

◆ソウル江南(カンナム)の街を歩いていると、韓国がなぜ整形共和国と呼ばれているのかを実感する。一軒隔てて必ずあるのは美容整形外科の看板だし、ビル全体を美容整形外科が使っているのも多い。統計によると、江南地区の美容整形外科は366あるが、ペイドクター(報酬医師)まで入れると、1000人を超える医師が江南で活躍していると推定される。世界の美容整形市場の売上の25%を韓国が占めているという報告もある。

◆「私は整形工場の技術者だった」と言った江南のペイドクターの告白が話題だ。整形外科の医師たちが、二重まぶた手術は30分、目頭や目尻の切開は1時間、といった調子でタイマーと付けて手術をしているという。医師それぞれの手術時間は、院長に報告される。コンベアベルトが回りながら製品を組み立てる工場のような美容整形工場のおいて、時間は即お金なのだ。さらに酷いのは、患者に行っては、院長や有名医師でなく、別の医師が入って手術を行う詐欺劇である。工場の回転を速めようとすると不良品が出易いように、お金だけが目当てであるため、手術を受けて死亡する患者が相次いでいる。安全を度外視したスピード至上主義が死を招いているのだ。医療倫理を失った美容整形工場にメスを入れる必要がある。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com