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[オピニオン]韓国から花が消える

Posted February. 28, 2014 03:18,   

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政府が毎週火曜日を、「花を買う日」に定めたことを知っている国民など多くいない。「今月の花」という制度もあるが、それも同じだ。今年1月の花はシンビジウム、2月は「春の伝令」のフリージアだった。花の消費を増やすためのアイデアだが、反応は冷たい。一時1兆ウォンを越えていた花の年間売上高が、8000億ウォン台へと下がった。国民1人当たりの花の消費額は、年間1万5400ウォンと、ノルウェー(16万ウォン)、スイス(15万ウォン)の10分1レベルだ。

◆それさえ、お祝い用として人気のある蘭の場合、80%以上が輸入品であり、花き農家にはあまり役立たない。台湾や中国から輸入したものを、ベトナム製植木鉢に植えて売る。花の消費は、国民所得に比例するというのが定説だが、韓国では通じない。花の消費が最も多かった05年の国民所得は1万6500万ドル、昨年は2万4000ドルと試算される。所得は45%伸びたが、花の消費は20%減った。

◆朝鮮時代の士人らが人格修行のために描いた文人画の素材は、梅の花や蘭、菊だった。花を愛する伝統は、古典にもよく現れている。燕巖・朴趾源(バク・ジウォン)は、「昨日降った雨に、杏の花は散ったが、桃の花はまだ綺麗であり/創造主が個人的な片方だけを好むのか」という素敵な文章を残した。朝鮮後期の文人といわれている徐鍑修(ソ・ヒョンス)は、ソウル城外のブクジョク洞(現在の城北洞)にお花見に出かけてきた後、「ブクジョク洞に美しい花が、香りを放つことになれば、ソウルの男女らで賑わわない日などない」と伝えた。

◆外国では、花のプレゼントが頻繁に行われている。世界の女性の日(3月8日)には黄色いミモザを与え、本や薔薇の祭り(4月23日)は、男性が女性に薔薇を捧げる。一方、韓国の若者たちは、主にチョコレートをやり取りする。花の生産者らは、新学期を迎え、消費を促すため、梨花(イファ)女子大など、大学に薔薇を送る計画だ。農林畜産食品部も、花の生活化を叫んでいるが、たいした変化などない。政治圏と社会勢力との激しい対立、殺伐な世の中なども、もし花が消える現象と関係があるのかもしれない。目と鼻の先まで来ている春に、花の復活を待ってみたいとおもう。

洪贊植(ホン・チャンシク)首席論説委員 chansik@donga.com