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[オピニオン]馮友蘭の『中国哲学史』

Posted June. 29, 2013 05:20,   

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馮友蘭が1934年に完成させた『中国哲学史』は、中国人が書いた初の中国の哲学史だ。馮友蘭は1948年、米国の大学の訪問教授だった時に講義の教材として書き、この英語の『A Short History of Chinese Philosophy』に手を加えた。私が大学の教養課程で東洋哲学を学んだ時、中国哲学の教材はこの本だった。馮友蘭の『中国哲学史』は、1983年に英語で完訳され、中国哲学史の基本書となった。

◆朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は2007年5月、「月刊エッセイ」に寄稿した「私の人生の灯台になった東洋哲学との出会い」という文で、「息をすることも苦しかった時期、私の人生の片隅に入ってきて人生の師匠として残ったのが、馮友蘭の『中国哲学史』だ」とし、「論理と論証を重視する西洋哲学と違って、東洋哲学には正しく生きる人間の道理と目まぐるしい世の中を生きていく知恵の教えが溶け込んでいた」と書いた。朴大統領の訪中に先立ち、中国で出版された『朴槿恵の日記』にこの内容が書かれ、中国メディアで話題になった。

◆中国国務院台湾事務弁公室の張志君主任が今年1月、朴大統領の当選祝いの特使として訪韓した際に言った最初の言葉が、「馮友蘭は私の師匠です」だった。張主任が北京大学に通った1970年代、馮友蘭は教授だった。馮友蘭は1949年、蒋介石が台湾に逃げ、一緒に行こうと言われたが拒否した。その代わりに毛沢東に「過去の封建哲学を講義し、国民党を助けた。現在、私は転向してマルクス主義を勉強することを決心した」という手紙を書いた。毛沢東は馮友蘭を北京大学に復帰させた。

◆朴大統領は「手帳のプリンセス」というニックネームに相応しく、『中国哲学史』で気に入った文句も書き取っていたようだ。朴大統領は先日の記者懇談会で、「長い月日が経った後、読み返してみると、『これは私が実践していることだ』と思うことがある」と話した。その文句の中にはこういうものもある。「部屋の中にいても、心は交差点を渡るように気をつけ、小さな気持ちを分け与えても、6頭の馬を働かせるように気をつければ、あらゆる過ちを避けることができる」

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com