マイスター高校の第1期卒業生は、2009年に進路を決め、2010年に入学した。当時は就職の展望はもとより、学校でどんなことを学ぶのかもはっきりと分からなかった時だった。
しかし、生徒たちは未来の青写真を具体的に描いていた。大学入学に劣らず、重要な、自分だけの夢と希望を頭の中で描き、必ず成し遂げると誓っていた。そして3年が過ぎた。マイスター高校の卒業生3人は、高校生活とこれからの抱負を語り、自分たちの選択を後悔しないと話した。
●「始めた道、最年少技能長になります」
蔚山(ウルサン)マイスター高校は、機械・オートメーション分野を専門とする。クォン・ワンソプ君(19)は、同校を14日に卒業するが、すでにソウルで働いている。電気システム制御分野を学び、昨年、ハンファ63シティに合格した。ソウル恩平区仏光洞(ウンピョンク・プルグァンドン)の社屋で電気分野の技術職社員として勤務している。
クォン君は、自分の判断でマイスター高校を選択した。中学生の時、とりわけコンピュータいじりが好きだった。友人のコンピュータを組み立てたり修理したりすることは彼の担当だった。上位30%内に入る成績だったが、技術が自分の道だと考えた。
両親と教師の反対を押し切って蔚山マイスター高校に進学した。同校は、計画し(Plan)、実行し(Do)、確認し(Check)、補完する(Action)いわゆる「PDCAシステム」放課後学校で有名だ。クォン君は、授業時間に電気回路の理論を学び、放課後学校の時間には電線と回路版に触れて技術を習得した。新入社員だが、「マイスター高校出身なので実務能力が違う」と言われる。
まだ業務を身につけている段階だが、今後は地下4階、地上8階の社屋の電気施設を管理し、非常発電機を点検する仕事をすることになる。技術を習得したくて選択した道なので、目標もはっきりしている。技術分野のベテラン、クォン君は「早く仕事を始めたので、電気分野の最年少技能長になりたい」と話した。
●「4年早い社会生活、留学・起業もしたい」
ミリム女子情報科学高校を6日に卒業したキム・ヘンソンさん(19)は、面接を受けて5月に三星(サムスン)SDSに入社する予定だ。
キムさんは2年生の時から三星SDS sGenメンバーシップ・プログラムに参加した。スマートフォンのアプリを作る実習を受け、実力と誠実さが認められた。sGenメンバーシップは、主に大学生が参加する実習プロジェクトだ。
キムさんは中学生の時、中間程度だった自分の成績なら大学進学よりも就職が有利だと判断した。
美術とデザインが好きで、数回の適性検査の結果を考えて、ミリム女子情報科学高校のニューメディアデザイン学科を選択した。学校では、コンピュータ・イラストレーションやフォトショップといった自分が好きな分野を学んだ。ウェブデザインやロゴデザインに必要なコンピュータプログラムだ。
マイスター高校への進学と就職は、様々な可能性を開く機会だった。仕事をしながら留学し、起業する未来を描いている。
キムさんは、「友達よりも早く社会生活に飛び込み、未来をもっと多様に描くことができるのがいい。一生懸命働き、単位銀行制で大学で勉強する」と抱負を語った。
●「高卒の限界を越えて会社で成長したい」
カン・スンヒョン君(19)は、全羅南道木浦(チョンラナムド・モクポ)の中学校を卒業し、高校は京畿道(キョンギド)の平沢(ピョンテク)機械工業高校に進学した。自動車・機械分野のマイスター高校だ。
カン君の父親は、掘削機やブルドーザーなどの整備を仕事としてきた。今もパラグアイで働いている。彼は息子が進学問題で悩むと、「技術を学べ」と助言した。
自分だけの技術を持つことがいいと考え、カン君は決心した。家族と離れ、平沢機械工業高校の自動車機械科に進学し、寄宿舎生活を始めた。これまで、コンピュータ応用旋盤技能士、コンピュータ応用ミーリング技能士、電算応用機械製図技能士など、様々な資格を取った。
カン君は昨年末、韓国土地住宅公社(LH)に機械分野の社員として入社した。そして、世宗(セジョン)市勤務を志願し、世宗本部に配属された。どうせなら新しくできた都市で仕事を学びたかった。
カン君は、「今の職場が良い。高卒と技術職という限界を越え、会社の中で成長していきたい」と抱負を語った。
「これからは、外国語や経営学など高校で深く勉強できなかった内容を学び、会社で多くの仕事をしたい」と話した。