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[社説]不動産市場の規制を大胆に緩和し、取引活性化を図るべきだ

[社説]不動産市場の規制を大胆に緩和し、取引活性化を図るべきだ

Posted January. 29, 2013 08:07,   

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不動産市場の低迷は、国民生活と直結している。国民が資産の70%を不動産で保有しているからだ。人口1000万人あまりのソウルで、今月に入り28日まで取引されたマンションは、計796件に止まった。昨年同期間の取引件数の半分に過ぎない。買い手が無くなり、ソウルのマンション価格は暴落し、賃貸保証金は高騰している。売りに出した住宅が何年も売れず、引越しできなかったり、借金をして住宅を購入したのに融資金を返済できず辛酸を舐めている気の毒な人たちが一人や二人ではない。

不動産を信じて、湯水のように金を使う「資産効果」は姿を消し、下がり続ける不動産価格を心配して、ベルトを引き締める「逆資産効果」が、景気をさらに冷え込ませている。不動産に頼って食べていく不動産屋や引越しセンター、内装や家具業種はもとより、建設業種で働く日雇い労働者や生コン、建材業種もとばっちりを受けている。東亜(トンア)日報が引越し、内装、不動産屋に依頼して分析した結果、この5年間、新築住宅の取引萎縮で引越しや内装、不動産屋の所得は、9085億ウォン減少したことが分かった。建設投資も10年以降3年連続して減少し、経済成長率を引き下ろしている。不動産市場の長期的低迷による後遺症だ。

庶民や中間層は気をもんでいるのに、与野党は呑気なこと極まりない。与野党の大統領候補は昨年の選挙期間中に、年末で期限切れとなる不動産取得税の減免を延長すると約束したが、結局年を越してしまった。住宅取引が途端に途切れると、与野党は後になって「取得税減免を延長する」と大声を上げたが、臨時国会は今月も開かれなかった。朴槿惠(パク・グンへ)次期大統領は、引継ぎ委員会・経済2分科での業務報告で、「異常な住宅市場を正常化させる政策をまとめてほしい」と要求した。しかし、不動産政策の青写真が見えず、市場の不安が高まっている。

韓国経済は昨年に続き、今年も2%台の成長に止まるだろうという暗い予測が出ている。住宅価格の下落が続くことになれば、不動産に端を発した寒波が、庶民経済全般へと広がるだろう。借金をして住宅を購入する投機を懸念する段階でもない。かつての政権のように、投機抑制に焦点を合わせ、規制の手綱を引き締めたり、緩和させたりする、小規模な後の祭りの対策を乱発しては、冷え切った不動産市場にぬくもりを吹き込むのは難しい。

与野党は、さらに遅れてしまう前に、不動産政策の大枠を、規制から取引正常化へと切り替えなければならない。そのためには、不動産需要と供給、取引を抑制する「爪の下の棘」や「靴の中の石ころ」から取り払わなければならない。実需要者らの住宅購入を厳しくさせる規制を緩和させることが急務だ。取得税減免は06年から延長を繰り返すその場限りの政策で、「税金の崖」の懸念を生んでいる。これを機に、取得税を現実的に見直し、市場参入の敷居を大幅に引き下げる根本的処方が必要だ。住宅の実需要者である若い世代らが、生涯初の住宅を購入する際は、取得税を減免したり、長期低利の融資を行う対策も、積極的に検討しなければならない。

韓国は、不動産取引税と保有税との割合が7対3であり、取引税の割合が米国や英国、日本などに比べ、過度に高い。取引税は引き下げ、保有税は次第に引き上げることで、不動産取引を活性化させるべきだ。多住宅者への譲渡税重課などの規制を緩和し、多住宅者を住宅市場に賃貸住宅を供給する主体として陽性化させる必要がある。人口構造の変化を考慮し、日本のように賃貸住宅への税制優遇策や金融支援を通じて民間賃貸住宅市場を育成しなければならない。金融機関の健全性を傷つけない範囲内で、総負債返済比率(DTI)を柔軟に適用し、不動産市場に余裕を持たせるバランス感覚を発揮する必要がある。

不動産は心理学だ。資産価格が上がれば、需要が伸び、下がれば需要が激減するのが不動産市場だ。韓国経済が日本の長期不況のような慢性的な病気ではなく、一時的な風邪を患っているという信頼があってこそ、不動産市場は元気を取り戻すことができる。次期政権は、冷え切った住宅市場を再生させ、国民の不便を緩和させなければならない。