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大手企業役員と政府次官も引退準備は平均並み

大手企業役員と政府次官も引退準備は平均並み

Posted October. 15, 2012 09:38,   

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ベビーブーマー(1955〜1963年生まれ)のLGユープラスの柳必啓(リュ・ピルゲ)対外協力室長副社長(56)と農林水産食品部の李相吉(イ・サンギル)第1次官(54)。2人は一般から見れば、2人ともうらやましい企業家であり公務員である。二人の引退後の財務準備は完璧に近い。それなら、柳副社長と李次官とは引退後、幸せな老後を送ることができるだろうか。

●副社長と次官、そしてマンション管理所長

柳副社長の財務準備指数は100点、李次官は82.5点だ。2人共平均の51.5点より大変高い。資産は李次官のほうが11億ウォン(公職者の定期資産総額)、柳副社長はこれより多い。

しかし、三星(サムスン)生命引退研究所とソウル大学老後・引退設計支援センターが、財務外要因について確認した結果、二人の実際の引退準備総合指数はあまり高くない評価が出た。柳副社長の引退総合準備点数は65.4点、李次官は64.9点だ。平均の58.3点と大差がない。

柳副社長は引退後に何をするか、全く準備していない。仕事関連準備指数は46.0点と、平均の51.1点より低い。柳副社長は「今手がけている仕事に大変満足している」とし「引退後の仕事についての計画は、まだない」と答えた。

李次官は、レジャー時間をどう過ごすかについて考えていない。レジャー準備指数は46.3点と、平均の56.1点より低い。李次官は月1、2度の割合で週末に登山をしており、たまには退社後、自宅周辺の散歩路を妻と一緒に歩いている。特に好きな趣味活動をしていない。今のレジャー活動に対する満足度も「まあまあ」だ。

ムン・インソンさん(55)は、江原道原州(カンウォンド・ウォンジュ)のマンション管理所長だ。資産は1億5000万ウォンのマンション1戸と2人の息子のために買っておいた小型マンション2戸(計1億6000万ウォン)、そして、いくばくかの貯金が全てだ。老後のために使える金額は約2億ウォン前後。今回のアンケートでの回答者の平均金額である2億以上3億未満より少し低い水準だ。

だがムンさんは、誰よりも幸せな人生を送っている。1998年、少佐として退役した後、マンション管理所長に転職し、毎週末妻と一緒に全国各地で開かれるバドミントン大会に参加している。

退役直後、軍隊で輸送将校として勤務した経歴を活かして、9年間タクシーを運転したが、毎日が同じ日常に嫌気が差したので他の仕事を探した。50歳で住宅管理所長の試験を準備し、5ヵ月後に合格した。引退前は、テニスを楽しんだが、妻と一緒にできる運動を探した結果、バドミントンへと種目を変えた。

ムンさんは、「週内は働き、週末はバドミントンをしに行く。先日、横城(フェンソン)での韓国牛カップバドミントン大会に参加したが、帰り道に地域を旅行して食べ物まで楽しめたので、一石二鳥だ」と話した。

●「多忙で準備できる暇がない」

柳副社長と李次官は、「仕事(柳副社長)やレジャー(李次官)への準備が足りない」という評価を受けると、2人共に、「そこまでの暇がなかった」と抗弁した。柳副社長は、「いつ引退するか分からないが、まだ余裕があり、(他の多忙な仕事をさておいて、引退後の仕事について)捜し求める必要性など、まだ感じていない」と主張した。李次官は、「毎日が忙しいのに、引退後のレジャーや趣味にまで考えることなど、できないじゃないか」と聞き返した。

ベビーブーマーたちの引退後の仕事への準備が足りない主な理由の一つは、柳副社長のように、引退までまだ時間があると考えているからだ。三星生命は、「大半の引退者たちは、引退時期についての具体的な計画がないまま、引退を迎えている」とし、「計画より早めに迎えた引退のため、準備が足りない」と繰り返した。

レジャーや趣味への準備も、心理的余裕がなく、きちんとできずにいる。FMI研究所のハン・ジュヒョン所長は、「引退後、落ち込んでいるベビーブーマーたちに、『これからは自分が楽しめる仕事をすべきだ』とアドバイスすれば、『何をすればいいか』と聞き返してくる人たちが多い」とし、「『会社型人間』として生きてきたため、レジャーを楽しむことなど考える時間がなかった」と主張した。

しかし、レジャーや趣味への願望は高い。韓国保健社会研究院の調査によると、ベビーブーマーたちが老後に希望するのは、「若者の時にできなかった趣味活動をすること(42.3%)であり、レジャー・趣味が「所得のために働くこと(16.8%)」より、2倍以上高かった。

金がなくても幸せな人たちは、どのような人たちなのか。三星生命が「財務上準備が平均以下でも、引退準備総合指数が上位30%」の94人について分析した結果、仕事や住居、健康準備指数が平均より13点以上高いことが目に付いた。住居が安定している上、仕事もあり、健康もいいという意味だ。

94人の総資産は2億ウォン未満が53.8%と、アンケート対象者の平均(45.35%)より低い。彼らは、住宅価格や生活費の高いソウル・首都圏より、釜山(ブサン)や光州(クァンジュ)、大田(テジョン)などの地方都市に暮らしながら、固定費の支出を減らしている。資産は少ないほうだが、月々の所得や消費は、アンケート対象者の平均と同様のレベルを維持し、割合豊かさを保った。職業別では、正社員労働者より、自営業の雇い主や単独自営業者のほうが多かった。彼らは、健康にも満足している。健康が「大変よい」と答えた人は11.7%と、平均(4.11%)より多く、「いい」も73.4%と、平均(50.11%)をはるかに上回った。

三星生命のコ・へジン首席研究員は、「財産は多くなくても、健康かつ前向きで、積極的に未来を準備する人たちだ」とし、「財産の代わりに、他の要素を代替資源として活用でき、幸せで生き生きとして老後を迎えることができる」と主張した。

延世(ヨンセ)大学・セブランス病院のキム・オス精神健康医学部教授は、「家族や国、会社のために一生働いてきた数多い引退者たちが、ある瞬間、『自分は何を求めて生きているのか分からない。社会でも、家庭の中でも自分の役割が消えつつあり、友人もいない』と落ち込んでいる」とし、「仕事やレジャーへの準備も、引退後にすればいいと考えず、予め準備しておいてこそ、ゆとりのある老後を迎えることができる」とアドバイスした。



nuk@donga.com weappon@donga.com