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[社説]ポスコ人事に口出しした朴永俊の背後の黒幕は誰か

[社説]ポスコ人事に口出しした朴永俊の背後の黒幕は誰か

Posted May. 11, 2012 08:18,   

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朴永俊(バク・ヨンジュン)元知識経済部次官が、ポスコ会長を巡る人事に不法介入したことが、一つずつ明らかになっている。朴元次官は08年11月から12月にかけて、ソウルのホテルなどで、当時の尹錫萬(ユン・ソクマン)ポスコ社長や鄭俊陽(チョン・ジュンヤン)ポスコ建設社長を呼んで、会長候補としての「インタビュー」を行った。2ヵ月後、朴元次官は、当時の李龜澤(イ・グテク)ポスコ会長に、「大統領府の意中だ」と主張し、会長に鄭社長が内定したことを通知した。李会長は、鄭社長をポスコ・取締役会議で会長として単独推薦した後、1年2ヵ月間の任期を残した状態で辞任した。

しかし、朴元次官が、果たしてポスコ会長の人事を牛耳った「黒幕」かどうか疑問が残る。当時、氏は大統領府企画秘書官から身を引き、何ら肩書きを持っていなかった。朴元次官は、大統領の実兄である李相得(イ・サンドゥク)議員の補佐官出身だ。大統領の旧来の友人である千信一(チョン・シンイル)世中ナモ旅行会長も、尹錫萬社長に電話をかけ、「大統領の意思だ」と主張し、「会長ポストからの脱落を受け入れるべきだ」と促したという。

驚くべきことは、朴元次官が、尹社長をインタビューするとき、その場に、ポスコの下請け会社「ジェイアンドテク」のイ・ドンジョ会長が同席していたことだ。朴元次官と共に、「迎浦(迎日—浦項)ライン」に属しているイ会長は、李相得議員の地元後援会長を引き受けている。検察が、朴元次官の自宅や事務所を捜索した先月25日、氏は逃亡するかのように中国に向け出国した。

ポスコが権力の嵐に巻き込まれたのは、今回がはじめてではない。政権が変わるたびに、新政権から嵐が吹きつけ、金滿堤(キム・マンジェ)、劉常夫(ユ・サンブ)、李亀澤元会長が任期を全うせず、辞任した。ポスコが1988年、国民株の売却を通じて民営化した後、政府は、ポスコの持分が全くないが、政権交替のたびに、権力者らはポスコを戦利品でもあるかのように牛耳ってきた。

イ・ドンジョ会長のジェインアンドテクは、李明博(イ・ミョンバク)次期大統領の引継ぎ委時代の08年1月、ポスコの系列会社として登録し、そのため、その前に比べ売り上げが10倍も急激に膨らんだ。人事異動のシーズンにもなれば、ポスコの役員らは、イ会長に会うため、列に並んだという噂もある。民営化したポスコもこんな有様なのに、公企業はいうまでもないだろう。

大統領選挙当時、李明博キャンプの外郭組織だった「先進国民連帯」の出身らは、政権発足後、公企業に大勢進出した。09年、同団体の会員らを招待した大統領府での晩餐会で、司会者が、「出席者の中には公企業の監事が多すぎて、社長級以上のみ紹介する」と話したほどだ。こんなふうに、権力が企業人事を牛耳ることになれば、企業の競争力は弱まり、不正が生じざるを得ない。今回の事件を徹底的に究明し、悪習の輪を断ち切るべきだ。