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「分子料理」の世界的シェフが韓国料理広報大使、5才のときベルギー人家庭の養子に

「分子料理」の世界的シェフが韓国料理広報大使、5才のときベルギー人家庭の養子に

Posted November. 02, 2011 07:03,   

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3年前の記憶の、ぼんやりとした風景に彼は再び戻った。自分と似た顔の人がこんなに多いのかと、とても不思議だった。34年ぶりに踏んだ故郷の地だった。1日、ソウル中区(チュンク)のプラザホテルで会った彼の姓はドジャンブル。名前はソンフンだ。

今年42歳の彼は、5才の時にベルギー人の養子となった。2才の弟と一緒だった。生まれた場所は、慶尚南道密陽(キョンサンナムド・ミルヤン)だ。生みの親の情報はまだない。

なぜなのか分からない。幼いころから食事は良かった。食べる物がなかったわけではないが、食べることが好きだった。新しい味に好奇心があった。18歳になって仕事を始めた。食べることが好きなので、レストランでウェイターをした。

しかし、死ぬまで料理を運ぶわけにはいかないと思い、ワインを学んだ。彼は、「地理学や化学、生物学を学ぶことができると考えて、ワインのソムリエに転向した。8年間、ワインのソムリエとして働き、97年に自分のレストランをオープンし、ワインの香りを料理に使い始めた」と話した。ベルギーの育ての親とチリ、ブラジル、フランスに一緒に養子に行った人々が彼の客になった。

そのようにオープンしたレストランが、世界的なレストランを紹介するミシュランガイドで二つ星を受けた「レアー・デゥ・テンプス」だ。「シェフを雇用するよりも直接料理を作ろう」と思った彼は、「分子料理」でベルギーを越え、世界的なシェフになった。分子料理は、物理と化学の法則をもとに、液体窒素や超音波など革新的な技術を料理に組み合わせ、新しい味を生み出す。

すると、思いもよらなかった機会が訪れた。09年に駐ベルギー韓国大使館から連絡がきた。韓国で韓国料理を紹介したいと言ってきた。ベルギーに来て以来、初めての訪韓だった。その時、韓国料理に初めて接した。彼は、「ベルギーに戻って、ポッサムやユッケ、五味子茶などをヨーロッパ人の口に合うようにアレンジしたい。昨年から、韓国料理広報大使としても活動している」と話した。

今回の訪問は、先月31日から今月4日まで、ロッテホテルやインターコンチネンタルホテルなどのソウルの主要ホテルで開かれる「ソウルグルメ2011」に参加するためだ。彼を含め、ミシュランガイド最高ランクの三つ星を受けたスペインのジョアン・ロカなど、最高級のシェフが参加するこの行事は、韓国料理の世界化を目的に09年に始まり、今回が3回目だ。彼は3、4日、ソウル中区小公洞(ソゴンドン)のロッテホテルで、みそドレッシングのマグロ料理や韓国式魚のスープを紹介する。

彼は、「もっと早く韓国料理に出会っていれば、ベルギーの両親が亡くなる前に韓国料理を作ってあげたのに、残念だ。14歳、11歳になった2人の娘に韓国料理を作ってあげて、韓国の話もたくさん聞かせたい」と話した。



hparks@donga.com