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[オピニオン]中国「一人っ子政策」廃止をめぐる論争

[オピニオン]中国「一人っ子政策」廃止をめぐる論争

Posted March. 24, 2010 02:58,   

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13億人口の中国で、「一人っ子政策」の廃止をめぐって賛否両論が白熱化している。一人でも食い口を減らし、早く安定した生計を確立しようといって「一人っ子政策」をスタートしたのが1979年。ようやく出生率は1.2〜1.3人に低下したが、ほかの問題が発生した。豊かになってから少子高齢化が進んでいる先進国とは異なり、中国では豊かになる前の20年から高齢化に突入する可能性が大きくなった。少数の若者たちが多数の老人たちの扶養を余儀なくされる局面を迎える恐れがあるのだ。

◆韓国でも「一人だけ産んでも韓半島は超満員」という掛け声があった。国が子供を一人しか産まないように規制していたため、農耕文化圏、儒教文化圏の家庭ではできれば(または死んでも)男の子を産もうとやっきになっていた。超音波技術まで発達し、女の子は産まれる前にすでに消える「女性殺害(gendercide)」が蔓延した。幸い、韓国ではこのような悲劇が沈静化しているが、中国では依然として続いている。1989年以前までは、女の子100人当たりの男の子108人だった性比が、今年は女の子と100人当たり男の子123人へと、跳ね上がった。

◆この子供たちがまた結婚適齢期を迎えるころになれば、新婦不足事態がいっそう深刻化するに違いない。中国社会科学院は、「10年後には、5人に1人の男性が『結婚できずじまい』になりかねない」と説明した。韓国では東南アジア圏の新婦たちを受け入れて克服しようとしているが、中国ではこれもままならない模様だ。結婚できずにいる男性たちの性的不満が拉致、強姦、暴動のような社会・政治不安に発展するのではと懸念する声が高い。

◆より大きな問題は、息子を持った家ごとに「結婚競争力」を高めるため、必死で貯蓄をしているために、消費不振による景気低迷が深刻化するということにある。最近、米コロンビア大のサンジン・ウェイ教授らは、「1990〜2007年の中国の家計貯蓄率増加の半分が一人息子家庭の『貯蓄熱』のため」という研究結果を打ち出した。アラン・グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長のように、中国の過剰貯蓄が世界の住宅価格のバブルを拡大生産しており、世界経済のアンバランスをもたらし、グローバル危機につながったと受け止める人が少なくない。では、「一人っ子政策」を廃止すれば、グローバル危機も消え去るだろうか。中国では、一人っ子政策の規制が厳しくない地方であるほど、経済水準が高まるほど、男の子を好む傾向が強いというのが、英国エコノミスト紙の報道であることからすると、もはや打つ手はあまりないようだ。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com