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[オピニオン]教科書改革

Posted September. 05, 2008 07:18,   

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教科書には政府が著作権を持つ国定教科書と、政府基準に合わせて民間が開発して事後審査を受ける検定教科書、事後審査のみを受ける認定教科書の3種がある。小中高校の歴史教科書は国定であるが、選択科目の近・現代史は検・認定となっている。近現代史教科書のうち、金星(クムソン)出版社の「韓国近・現代史」は、バランスが失われた記述で間違った歴史認識を植え付けているという批判を受けている。全国市道教育監協議会が4日、「左寄り歴史教科書の採択比率を減らす」と決議した。教育監が左寄り教科書に対して懸念を表明したのは初めてのことで、政権が変わったことを実感させられる。

◆韓国近現代史「金星出版社版」を読んでいると、韓半島は不道徳で歴史意識に欠けた支配集団が君臨したという認識を持つようになる。このような内容もある。「分断は米軍の南韓占領による部分がはるかに多い」「ソ連軍は解放軍の性格が強い」「民族精神に土台を置いた新しい国の門出は、水泡に帰した」「北朝鮮は主体思想を土台にした自己流の社会主義を強調した。(これは)直面する問題に自ら責任を持ち、自らの力で解決しようということだ」。北朝鮮の経済が今、自力で立つことさえできていないことを果たして知っているのか、執筆者たちに聞きたいものだ。

◆左寄りの教科書は、大韓民国の建国の意味や、世界が奇跡と呼んでいる経済発展、その過程で流した国民の汗と知恵を過小評価する。北朝鮮の人権蹂躙と餓死、崩壊した経済体制、脱北者についての内容はない。金星出版社教科書の採択率が50%に達しているというから、子どもたちは学校で大韓民国と北朝鮮に対して虚像を学んでいるわけだ。社会教科書の中でも、市場経済と開放、企業を否定的に書いた内容が多い。市場経済、開放、企業は「漢江(ハンガン)の奇跡」を生んだ源泉であるにも関わらずである。

◆教科書採択の最終権限は校長が持っているが、学校現場の採択過程では全国教職員組合の要求が反映される場合が多い。全国教職員組合を研究してきた金グヒョン氏は、「甚だしくは教科書の内容が自分たちの考えと違う場合には、『参考資料』『補足資料』という名目で別途の教材を作るか、コンピューターファイルで授業をする場合も多い」と話す。父兄らも子どもたちの歴史観を捻じ曲げる教科書に対する警戒心を高めなければならない。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com