日本の福田康夫首相は、独島(トクト、日本名竹島)の領有権をきちんと明記しなければならないと主張する日本の右翼も、領有権主張の放棄を求める韓国政府も同時に配慮する中間地点を選んだ。しかし、韓国政府と日本内部の反応を見ると、二兎を得ようとしたものの、二兎を全て逃した結果となった。
韓国政府が「独島の領有権を取ろうとする野心を露にした」と激しく反発したが、日本社会の一部からも「外交的な気遣いのため、領土問題に対する明確な記述を諦めた」という批判が出ているからだ。
「アジア重視外交」を掲げている福田政権が、独島の記述に踏み切った背景には、日本政府と与党内に巨大勢力を形成しているタカ派(強硬右派)の根強い圧力と攻勢があると、政治専門家らは分析している。
日本で学習指導要領解説書の上位概念である学習指導要領に独島領有権の表現を入れようとする動きが本格的に出始めたのは、05年3月のことだ。当時、中山成彬・文部科学相は、「新しい学習指導要領に『竹島が日本と土地だ』と明記すべきだ」と主張した。
06年3月、高校教科書の検定で、文部科学省は「韓国と日本が竹島をめぐって領有権紛争を行っている」と記述した複数の教科書に対し、「韓国が日本の領土である竹島を不法占拠している」という表現に変えるように指示した。
文部科学省は今年3月、関心を集めた新しい学習指導要領を発表したが、中山文部科学相の主張とは違い、独島関連の表現を入れなかった。これは、4月の李明博(イ・ミョンバク)大統領の訪日を控え、韓日関係に与える影響を懸念したためと受け止められる。
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