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「大量の脱北者」ジレンマが始まった

Posted July. 27, 2004 22:27,   

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北朝鮮を脱出したいわゆる脱北者の、大量の韓国入国が本格化してきているが、政府の対策はこれに付いて行けないでいる。

そのため、大量の脱北者の発生と、彼らの韓国入国に備えた根本的な解決策を講じなければならないという声が高まっている。

東南アジアに滞留していた約450人の脱北者のうち、第1陣の約200人が27日午前、アシアナ航空のチャーター便で、京畿道城南市(キョンギド、ソンナムシ)のソウル空港に到着した。

脱北者らは空港に到着した後、京畿道にある某金融機関の研修院に移動し、1ヵ月に渡って当局の調査を受ける。第2陣の約250人も、大韓航空のチャーター便を利用して、28日午前に入国する予定だ。

鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官は同日午前、大統領府での閣議の前に記者らと会って、「数年内に脱北者1万人時代が来るだろう」としながら、「(脱北者関連)政策全般を再検討し、グレードアップすることが必要だ」と述べ、「これまでは少数の脱北者の定着を助けるレベルだったが、これをさらに深めて充実させる総合政策を検討する」ことを明らかにした。

これと関連して専門家は、中国などの第3国に滞留する脱北者は、すでに約10万人(政府推算2万〜3万人)にのぼっており、いずれ「脱北者数万人時代」が到来するものと見通している。

しかし、現在の韓国社会内部では、脱北者の大規模入国に対する社会的コンセンサスが形成されていないうえ、法的・制度的装置や財政的な裏づけも十分ではないのが実情だ。

政府は、中国や北朝鮮との外交関係や脱北者の安全を理由に、これまで「静かな外交」を進めてきたが、専門家は脱北者の社会的収容のための国民的合意と国際的同意を得てこそ、脱北者の安全な入国と円満な韓国定着が可能だと、口をそろえて言う。

統一部によると、今年に入って約1500人の脱北者が韓国に入国したという。統一部は昨年末、韓国に入国した脱北者1158人を基準に今年の定着支援の必要予算300億ウォンを確保したが、大規模な入国で、初期の定着支援金として提供する「現金補償」も十分に実施できない状況だ。

統一部は、今年の末までに約2000人の脱北者がさらに入国するものと見て、定着支援の費用を確保するために、補填予算を申請する計画だ。

脱北者の韓国社会適応教育機関であるハナ院の年間収容能力も約2400人に過ぎず、教育施設の拡充やプログラムの改善も急がれる。

脱北者を見る国民の冷ややかな視線も、脱北者の定着を困難にする要因だ。最近、政府が京畿道利川(イチョン)地域に脱北青少年のための学校の設立を推進したが、住民の反対で実現できなかった。

慶南(キョンナム)大学北朝鮮学科の李宇栄(イ・ウヨン)教授は、「脱北者を白い目で見る社会のムードが変わらなければ、脱北者が異邦人としてさまよう現実は続くしかない」と話した。



夫亨權 金昇鍊 bookum90@donga.com srkim@donga.com