世界で行われる外交行事の中で最も力のある会合は、G8首脳会議である。経済力のある7大国にロシアが加わった会合だけに、世界最高権力の集合体と呼んでも差し支えない。75年に米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、日本を加盟国として発足したこの会合は、翌年にカナダを入れてG7(Group of7)と呼ばれてきた。そして91年から準加盟国待遇で参加したロシアが、97年に正式メンバーに昇格してG8に拡大した。G8は、来月1日からフランスのエビアンで開かれる首脳会議に初めて中国の胡錦濤国家主席を招待した。まだオブザーバー資格だが、中国が加わったG9が世界の主要懸案を意のままにする日も遠くなさそうだ。
◆G8に参加すること自体が大国である象徴なだけに、会員国の自負心は大変なものだ。エリツィンをはじめとしたプライドの高いロシアの首脳が、政治分野の会議に参加しても経済分野会議が始まれば退場しなければならない侮辱を受けながら準加盟国の地位に甘んじていたのも、G8の権威と栄誉のためであった。G8の舞台にデビューする中国の心情も同じだろう。「社交の会」だとか「言葉の宴」といって、大国首脳の豪華版行事を批判する声も絶えないが、国力を育ててG8に入りたくない国家はない。
◆今週ロシアに主要国の首脳が集結する。ロシアが第2の都市サンクトペテルブルクの建設300周年を迎えて大規模な祝宴を準備し、約50ヵ国の首脳を招待したのだ。ロシアは4年もの間15億ドルをかけて祝宴を準備したという。もとよりG8の首脳も総出動して祝宴の主役として活躍する。週末にはホスト国であるロシアのプーチン大統領や米国、日本、中国、欧州連合(EU)などの大国の首脳の会談が続く。ロシアの大文豪アルレクサンドル・プシューキンは、サンクトペテルブルクを「ヨーロッパに向けて開かれたロシアの窓」と言ったというが、今では「世界に向けて開かれた窓」と言わなければならないようだ。
◆韓国は、招請状を受けなかった。G8の大国でもなくEU加盟国でもないが、中国や日本を含め国際的な祝祭に招待された約50ヵ国の名簿に入れなかった現実が口惜しい。ロシアにとって韓国はまだ「遠い国」なのだ。経済協力開発機構(OECD)に加入し、輸出入の規模で世界12位にまで上がったが、十分な待遇を受けることができない。国家の対外地位を高めることも政府の責任だが、近頃、まともなことが見当たらない状況ではよくなる様子も感じられない。
方炯南(バン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com