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「まだ弓弦を引くくらいの筋肉は残っている」 アーチェリー代表最年長が執念の挑戦

「まだ弓弦を引くくらいの筋肉は残っている」 アーチェリー代表最年長が執念の挑戦

Posted August. 09, 2018 10:30,   

Updated August. 09, 2018 10:30

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「もう辞めた方が良い。早く手術して治療を受けましょう。晴天に霹靂だった。磁気共鳴画像(MRI)を検討していた主治医は引退を勧めた。右肩筋肉と右腕上筋肉の一部が完全に断絶されたと言った。違和感は数年前から感じていた。弓を引く度に何か途切れるような音がした。しかし、今回ばかりは痛みがひどかった。弓弦が引けないどころか、腕を上げるのも苦しかった。

昨年の夏、アーチェリー男子代表の最年長、オ・ジンヒョク(37=現代製鉄)は引退の岐路に立たされた。鎮痛剤を打たれながら年末まで粘れたが、選手生活の終わりが見えてきたのようだった。

そのオ・ジンヒョクが18日開幕のジャカルタ・パレンバン・アジア大会に出場する。8日、忠清北道鎮川(チュンチョンブクト・チンチョン)の選手村で会ったオ・ジンヒョクは、「ずっと痛いから今は慣れてきた。体調だけで言うといつ辞めてもおかしくない。だけど、体が許す限り、弓を射続けたい」と話した。

二つの筋肉が断裂したオ・ジンヒョクが、どうやって代表に選ばれることが可能だったのか。大韓民国のアーチェリー代表になることは、五輪で金メダルを獲得することより難しいと言われているではないか。現役延長への気持ちが強かったオ・ジンヒョクの大胆な決断が効果をあげた。

堂々とした体格(182センチ、97キロ)のオ・ジンヒョクは、強い矢を射る選手だった。弓を引く時の張力あ54ポンドもある。野球の投手に例えると、球速155キロを軽々しく投げる剛速球投手だった。張力が大きいほど、矢をより強く飛ばすことができる。

オ・ジンヒョクは、冬季練習の時、技巧派投手に変身した。肩にかかる負担を減らそうと弓の張力を8ポンドも落とした。最近は46ポンドの弓を使うオ・ジンヒョクは、「最近は時速140キロ台序盤の変化球投手になった」と笑った。

最初はバランスが合わなくて苦労した。最近も照準を調整する際に混乱することがある。しかし、オ・ジンヒョクは、堂々と実力で代表に選出された。

韓国式数え年で38歳になったオ・ジンヒョクは、アーチェリーの男女選手を通じて主要大会(五輪、アジア大会、世界選手権)に出場する最高齢選手だ。2012年のロンドン五輪では韓国男子選手では初めて個人戦で金メダルを獲得した。選手としてはすべてを成し遂げたはずだが、弓を手放せないのはどうしてだろうか。「すべての国際大会で金メダルを獲得してみました。目標意識も薄まると思ったんですけど、なぜか、また代表選考会のことを考えているんですね。自分はアーチェリー場に立っているとき生きていることを実感するんですね。激しい選考会は大変ですけど、一方では、後輩たちとの競争すること自体が楽しいんです」。

今回のアジア大会の目標は男子団体戦金メダルだ。2012年の五輪と2014年の仁川(インチョン)アジア大会では個人戦金メダルを獲得したが、団体戦はいずれも銅メダルだった。オ・ジンヒョクは、「良い後輩たちと一緒に表彰台に立ちたい」と語った。

アジア大会ではリカーブに5個、コンパウンドに3個と全8個の金メダルがかかっている。リカーブ代表の主将を務めるオ・ジンヒョクに、予想する金メダルの数を聞いた。「今のようなプレーができれば、すべての金メダルを席捲できる。他国選手たちは太極(テグク)マークを見るだけでもビビるんです」。


李憲宰 uni@donga.com