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「殺戮、荒廃、消し去る…」 トランプ氏、就任演説でも過激な発言

「殺戮、荒廃、消し去る…」 トランプ氏、就任演説でも過激な発言

Posted January. 23, 2017 08:42,   

Updated January. 23, 2017 08:45

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「これが大統領の就任演説だと?昨年の大統領選の遊説ではないのか?」

米国のトランプ大統領が20日、就任演説を終えると、比較的トランプ氏に友好的な保守指向のFOXニュースのアンカーはこう述べた。それだけトランプ氏は16分間の短い就任演説で、米現代史で目にできない前代未聞のストレートな表現を使った。

米国人が最も衝撃を受けたのは、米国の状況を「殺戮(carnage)」と表現したことだった。「都市部では貧困の中に閉じ込められた母子たちがいます。さび付いた工場群が、まるで墓石のように私たちの国土の風景のあちこちに広がっています。(中略)こうした米国での殺戮は、ここで、今すぐ終わりとなります」。

任期中、協力対象のワシントン政界に向かっては、国民が享受するものを奪った勢力だと非難した。前に共和党と民主党の議員数百人を座らせておいてだ。

「あまりに長い間、この国の首都の小さな集団が政府からの恩恵にあずかる一方、国民はそのつけを背負わされてきました。ワシントンは栄えましたが、国民はその富を共有しませんでした」

その後も希望よりも「荒廃(disrepair)」、「衰退(decay)」、「喪失(dissipate)」などディストピア的な語彙が登場した。「イスラム国」(IS)に対しては「消し去る(eradicate)」という表現を使った。オバマ前大統領はISに対して「弱体化する(degrade)」という表現を主に使ってきた。

「米国のインフラが荒廃し、劣化する一方で、何兆ドルも海外につぎ込んできました。私たちの国の富、強さ、自信が地平線のかなたに消えていったさなかに、私たちは他国を裕福にしてきたのです」

またトランプ氏は、「私たちは権力をワシントンから、国民の皆さんにお返しするのです」とし、「今日は国民が再びこの国の支配者となった日として記憶されるのです」と述べた。「国民主権」を強調するようだが、白人労働者層の支持に寄り添い、徹底して既成制度圏を意識したトランプ氏の扇動ポピュリズムがそのまま取り込まれた。トランプ氏の後方に座っていたオバマ前大統領は演説の間、表情は暗く、呆れたように度々空を見上げた。

就任演説に作成に参加したスティーブ・バノン首席戦略官は、米紙ワシントン・ポストとのインタビューで、「トランプ氏の演説はポピュリズムと民族主義のカラーを出した」と話した。

しかし、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「街頭集会でありそうな演説」と指摘し、ロサンゼルス・タイムズは、「大統領選のレトリックの二番煎じであり、常套文句を集めた『トランプ・ベストレコード』だ」と批判した。ワシントン・ポストは、「大統領選の後遺症を癒すのではなく、永遠に政治キャンペーンのように国政を運営しようという意図が含まれている」と指摘した。



ワシントン=イ・スンホン特派員 ddr@donga.com