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脅迫を強める北朝鮮、対北支援に焦る韓国

脅迫を強める北朝鮮、対北支援に焦る韓国

Posted December. 07, 2019 08:29,   

Updated December. 07, 2019 08:29

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政府は6日、南北交流協力推進協議会を開き、世界保健機関(WHO)の北朝鮮に対する母子保険医療支援事業に500万ドル(約60億ウォン)を支援することを決めた。今年6月、世界食糧機構(WFP)を通じて5万トンのコメを支援することを決め、モニタリング費用などとして177万ドルを送金したが、北朝鮮が受け取りを拒否し、事実上失敗した。今回、6ヵ月ぶりの支援決定だ。

政府の決定は、北朝鮮が「年末の期限」に合わせて対外攻勢を強めている中でなされた。政府は、北朝鮮の幼児・妊婦のための純粋な人道支援事業で、南北関係の状況とは関係ないと説明するが、果たしてこのような時期に適切な決定なのか疑問だ。南北関係を断絶させ、韓国に対してあらゆる非難を浴びせる北朝鮮だ。有り難く思うどころか、あざ笑うかも知れない。

北朝鮮は5日夜、崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官を前に出し、トランプ米大統領の武力使用の可能性発言を非難した。崔氏は、「失言なら幸いだが、計算された挑発であることが確認された場合、われわれも対抗して暴言を開始する」とし、一昨年、トランプ氏の「ロケットマン」発言に対抗して使った「老いぼれのもうろく」という表現を再び使った。さらに、北朝鮮は東倉里(トンチャンリ)ミサイル実験場に大型コンテナを登場させるなど、新たな挑発の意図を見せている。

北朝鮮は、険悪な言葉と怪しい動きで相手を刺激し、挑発の大義名分を作っている。米国は巻き込まれないとするムードだ。トランプ氏は、直接対応せず、ひとまず無視の戦略を選択しているようだ。ただし、北朝鮮に対する監視を大幅に強化し、万一の事態に備えている。ホワイトハウスは6日、「交渉を急いだり、いい加減に合意することはない」という原則的な立場を繰り返し明らかにした。

このような微妙な局面で、韓国政府は対北朝鮮支援という「アメ」を取り出した。北朝鮮住民への人道支援は批判することではない。しかし、北朝鮮は今、相手を腹立たせたり脅しをかけたりして心理戦を展開している。これに支援で応えることを北朝鮮はどう受け止めるだろうか。米国の誤解を招く恐れがあるということも十分に考慮した決定なのか問わざるを得ない。