Go to contents

ソ連牽制で一つになったNATO、70年経って「中国の軍事崛起に共同対応」

ソ連牽制で一つになったNATO、70年経って「中国の軍事崛起に共同対応」

Posted December. 05, 2019 09:18,   

Updated December. 05, 2019 09:40

한국어

北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の共同宣言文に軍事強大国に急浮上する中国を牽制する内容が含まれた模様だ。旧ソ連への対抗を目的に創設されたNATOが、「中国の崛起」を憂慮した内容を首脳会議の宣言文に含めるのは1949年の創設以来初めて。

CNNやAFP通信などによると、NATOのイエンス・ストルテンベルグ事務総長は3日、英ロンドンで開かれたNATO首脳会議で、「中国が軍事強大国に台頭することは、すべての(NATO)同盟国の安全保障に影響を及ぼしている」とし、「中国の軍事力拡大はNATOがこの問題に共に対処しなければならないことを意味する」と強調した。

ストルテンベルグ氏は、軍事力の増強だけでなく5G通信網など欧州の各種社会インフラに中国が集中的に投資したほか、アフリカや北極に影響力を拡大している点にも懸念を示した。全世界で中国の力があまり大きくなっていることを憂慮したのだ。

ストルテンベルグ氏は、「5年間で中国は80隻の軍艦と潜水艦を海軍に追加したが、これは英海軍全体に匹敵する」とし、「中距離核戦力(INF)全廃条約で禁止された長距離ミサイル数百機、新型超音速巡航ミサイル、新型ドローン、超音速グライダーなど様々な兵器を中国は増強した」と明らかにしたと、CNNは伝えた。世界軍事力の順位で中国は米国とロシアに続き3位。

このような憂慮を反映し、NATOの29の加盟国の首脳は、今回の首脳会議でNATOが中国にどのように接近すべきかを盛り込んだ報告書を承認する予定だ。これを土台に4日、ロンドンでの首脳会議を終えて発表する共同宣言文に「中国の拡大する影響力と国際政策は、われわれが同盟として共に対処する必要のある機会であり挑戦という点を認識する」という内容を盛り込むという。

ただ、中国を意識して「敵」と規定する言葉は使用しないという。ストルテンベルグ氏は、「新たな敵を作るのではなく、中国の挑戦を分析して理解し、バランスの取れた対応が必要だということだ」と強調した。

一部では、NATOが求心点を見出すために公共の敵を探しているという分析もある。NATOは第2次世界大戦後の1949年、ソビエト連合に対抗するために創立されたが、1991年に旧ソ連は崩壊した。30年以上創設目的に合わない状況の中で同盟を維持し、あちこちで破裂音が生じている。特に70周年の今年は、トランプ米大統領の国防費増額要求と一方主義で内部葛藤が極度に達した状態だ。CNNは、「NATOが混乱した姿を見せている状況で、中国の挑戦はNATOを再び一つにする要因になり得る」と伝えた。


金潤鍾 zozo@donga.com