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民生法案を政争の具にするな

Posted December. 02, 2019 09:38,   

Updated December. 02, 2019 09:38

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ファストトラック(迅速処理案件)法案処理をめぐる与野党の対立で、先月29日、国会本会議が空転し、「ミンシギ法」と呼ばれる道路交通法改正案、「データ3法」など数百の民生関連法処理が中断した。最大野党「自由韓国党」が199個の非争点案件に対してフィリバスター(無制限討論による合法的議事妨害)を申請したうえ、フィリバスターで今定期国会でファストトラック法案処理が実現しないことを憂慮した与党「共に民主党」と野党「正義党」が本会議の出席を拒否したためだ。

非難世論が高まると、与野党は互いに見苦しい責任のなすりつけをしている。「共に民主党」は自由韓国党がミンシギ法など民生法案を人質にしたと非難した。しかし、自由韓国党がフィリバスターを申請した法案の中にミンシギ法は含まれていなかった。自由韓国党は28日までに本会議にかけられたすべての法案にフィリバスターを申請したが、ミンシギ法は29日に付議された。

ファストトラック法案の通過と阻止にだけしがみついた与野党に民生法案は当初から眼中になかった。自由韓国党は10日に終了する今定期国会までは非争点法案に対するフィリバスターで阻止し、その後、臨時国会が開かれれば上程されたファストトラック法案にフィリバスターを申請する計画だ。フィリバスターは制限時間が決まっていない。このため、いくつかだけでも十分に意図することを成し遂げることができる。民生法案の緊急性と切迫性を少しでも考えたなら、法案の軽重を問わずに何と199個も申請することはできないだろう。

「共に民主党」が本会議そのものを拒否してミンシギ法など与野党の意見の相違がない法案まで犠牲にしたことも非難されて当然だ。欠席を利用した国会本会議の空転は、効果的な対応策がない「共に民主党」と正義党の苦肉の策だったという点は認められる。フィリバスターが始まれば、今定期国会で選挙法改正案などファストトラック法案処理は事実上不可能であり、臨時国会を開くとしても、物理的に来年の総選挙予備候補登録日の17日までに処理することは難しいためだ。

選挙法改正案、高位公職者犯罪捜査処設置法などのファストトラック法案に対しては必要性と憂慮が共存しているのが事実だ。しかし、それより重要なことは、国民の生活と安全だ。国民生活と密接な民生法案に対して、与野党合意でフィリバスターなくワンポイント本会議を開いて通過させることが当然の道理だ。ミンシク君の母親は、法案通過が失敗に終わると「なぜミンシギが交渉カードにならなければならないのか」と絶叫した。子どもの安全がかかったことを政争の具にしてはならない。