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詭弁を論理で覆う米参謀たち、「トランプ同盟観」現実化

詭弁を論理で覆う米参謀たち、「トランプ同盟観」現実化

Posted November. 25, 2019 09:25,   

Updated November. 25, 2019 09:25

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国務副長官に指名されたビーガン氏の人事公聴会が開かれた20日(現地時間)、上院外交委公聴会の会場。開始からトランプ米大統領の弾劾調査関連の質問が速射砲のように溢れた。国務省が資料提出を拒否して議会と衝突し、関係者が次々に証人として召喚された状況で、国務省ナンバー2の候補の対応を問う委員の質問は鋭かった。

ビーガン氏の返答は印象的だった。弾劾はもとより外交・安全保障政策を扱った3時間の公聴会の間、厳しい質問に上手く受け答えた。「判断を避けない」と明確な立場を示し、敏感な内容にも言葉尻を取られることはなかった。与野党委員から「返答に同意する」、「洞察力のある説明だった」と評価された。

そのようなビーガン氏が、韓国の在韓米軍駐留経費負担増額問題に関する質問に「無賃乗車」と発言したことは意外だった。韓国が無賃乗車をしていないということは、ワシントンのシンクタンクや議会関係者も指摘してきた内容だ。しかも、ビーガン氏は国務省の北朝鮮担当特別代表として何度も韓国を訪れ、韓国の政官界関係者に会ってきた。韓国の軍事分野の貢献を知らないはずがない。公聴会を見守っていた韓国の外交官の間で、「ビーガンあなたまで・・・」という嘆きが漏れた。

ビーガン氏は翌日、ワシントンを訪れた与野3党の院内代表に同盟関係の「再設定(renewal)」の必要性を力説した。回復、再生(rejuvenate)という単語も使った。単に金銭の問題ではなく、米国のグローバルな同盟構造を変える過程での必要性を力説したという。

5倍増額を求めるトランプ氏の要求は荒唐無稽だ。しかし、このような要求が賢明で有能な参謀によって論理の服を着ると話は変わる。ビーガン氏のような高官が支援するだろう。参謀は結局、隊長の指示に従うほかない。彼らが反対の立場で大統領を説得しようとしても、最終決定権はトランプ氏にあるということも厳然たる現実だ。トランプ氏が指示すれば北朝鮮への制裁が撤回され、国防総省報道官が「予定通り実施する準備をしている」と公言していた韓米合同空軍演習も半月後に延期になることを目撃した。

今年初め、「堅固な同盟なのに、なぜ韓米亀裂を話すのか」と否定した米国防総省関係者は、もはや記者にそのようには言わない。「トランプ氏の考えが米国の政策と必ずしも一致するわけではないから心配するな」という耳打ちも今はない。実務の意見や政策方向が一瞬にして覆されるのを何度も経験したためだろう。

同盟を価値でなく金で考える「トランプ式同盟観」は、ツイッターや遊説現場のレトリックを越え、実際に政策にあらわれている。シリアからの米軍撤収で見たように、政権当初から在韓米軍の縮小を念頭に置いているトランプ氏が今後どう出てくるか分からない。外交・安全保障だけでなく経済、情報共有など別の分野でも、これまで経験したことのない衝突の可能性がある。現在ワシントンでは、同盟の共同の価値と信義の話はナイーブに受け止められている。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com