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米メキシコ国境の壁にシーソーインを設置した米大学教授

米メキシコ国境の壁にシーソーインを設置した米大学教授

Posted October. 31, 2019 08:38,   

Updated October. 31, 2019 08:38

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先月28、高い灰色の鉄のフェンスが立てられている米国とメキシコの国境障壁で、久しぶりに笑いの花が咲いた。悲劇の温床となった障壁に、ピンクのシーソーが設置されたためだ。このシーソーに乗るために、米国とメキシコの子供たちが国境に集まった。ここで、住民はフェンスの隙間からお互いの顔を見ながらコミュニケーションを行った。

このプロジェクトを主導した人は、米国建築家のロナルド・ラエル・カリフォルニア大学バークレー校教授。2009年「建築としての国境」という本とTED講義で、「両国的シーソー」という概念を示して注目を集めた人物だ。彼が31日、ソウル東大門デザインプラザ(DDP)で行われる「SDF2019」の講演のために訪韓した。

30日、東亜(トンア)日報とインタビューを行ったラエル教授は、シーソーを設置した理由について、「ドナルド・トランプ米大統領がもっと障壁を立てるという政策を推進しているが、移民問題はますますひどくなっている」とし、「建築された障壁の虚しさを表すために、創造的なデザインと遊びを活用した」と説明した。

「シーソーは片側の行為が反対側に直接結果を及ぼしかねないという認識を、大人と子供たちに思い起こさせます。シーソーは私と相手が昇り降りすることの寛容があってこそ、一緒に乗ることができます。シーソーを通じて平等と不平等、隣人との関係について語りたいと思いました」

ラエル教授は、2009年から10年間、国境障壁で喜びと楽しみ、和合に満ちた建築的アイデアを絵で表現し、現実化するために力を尽くしてきた。障壁を越えて行って戻ってくるブランコを設置し、障壁をネットにしたバレーボール競技場を作った。障壁の隙間を挟んで両国住民同士が食事を一緒にし、障壁周辺でコンサートを開き、映画を鑑賞するプロジェクトも行った。

彼に軍事的緊張がはるかに高く、幅も広い韓半島・非武装地帯(DMZ)の緊張感を解消するためのアイデアを求めた。

「メキシコの障壁は元々一つだったものが、二重になったところがあります。二重になったので、塀を越えて話をするのが難しくなり、遠くから手話をしたり、望遠鏡で見て、英語とスペイン語で通訳し意思疎通をしたことがあります。DMZは障壁のせいで、逆説的に自然環境がよく保全されています。南北が一緒に自然環境保護と研究に協力しながら障壁の緊張を緩和すれば、最終的には崩すこともできるのではないでしょうか?」


田承勳 raphy@donga.com