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麻薬に崩れた息子との24時間、子を最後まで支えたのは母性だけ

麻薬に崩れた息子との24時間、子を最後まで支えたのは母性だけ

Posted May. 08, 2019 09:40,   

Updated May. 08, 2019 09:40

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麻薬中毒者である息子ベン(ルーカスヘッジズ)が連絡もなく、リハビリ施設から戻ってきた。それも平和と幸福に満ちたクリスマスに。不安がる妹と再び返すべきだという義理の父。ただ母親のホリー(ジュリア・ロバーツ)だけが家族との一夜を許す。ただし、24時間ずっと母の視野から外れないという条件付きで。

映画「ベン・イズ・バック」は、ジュリア・ロバーツが前作「ワンダー」(2017年)を通じて描いた母性愛がようやく完成する映画だ。「ワンダー」で顔面障害を持って生まれた子供を育てる母親が経験する苦しみを、深いしわと涙を飲み込む目つきでも表現した彼女だ。今度は麻薬になすすべもなく崩れた息子の手を最後まで離さないママとして戻ってきた。

変わったベンは、薬物をやめるという固い意志を示すが、彼が戻ってきた直後に奇妙な出来事が繰り広げられる。誰かが家に侵入して、子供時代の思い出で飾ったツリーが倒れ、かわいがっていた子犬も消える。ホリーとベンが夜遅く、子犬を探しに出かける旅は、普通の少年が麻薬中毒者に転落した過程と変わらない。

プロポフォールのような睡眠麻酔剤を薬物のように利用し、ヒロポンを投薬し、★嘘をはばからない人々が連日見出しを飾る時代。麻薬とはまだ遠い国のことのように思われるが、映画はベンも同様に最も近いところで徐々に崩れたことを表わす。

老母の治療に使っていた麻薬性薬を教え子たちに売り渡した教師、24時間注射器と薬を売る薬局、わずか橋一つを渡ったところにあった薬物密売人の本拠地。母親は息子と24時間同行した後になって、吐き気が込み上げる周りの醜い現実を発見する。そして自分が知らない間に、息子もその醜い輪の中で加害者として属していたことに気付き、怒りと自責、無気力さに胸を叩く。崩れてしまった子を最後まで支えるのは、母だけであることを示すようにロバーツが表現する母性は、映画を最後のシーンまで引っ張る力である。

映画「ギルバート・グレープ」(1993年)の原作や、「アバウト・ア・ボーイ」(2002年)の脚本を書いたピーター・ヘッジズ監督が、今回も社会の周辺にはみ出た家族の物語を描いた。9日に公開。15歳観覧可。


李?? baltika7@donga.com