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賞金を遺族に渡した奉化の義人、「ことが大きくなりましたね」

賞金を遺族に渡した奉化の義人、「ことが大きくなりましたね」

Posted August. 30, 2018 07:24,   

Updated August. 30, 2018 07:24

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「このお金は自分のものではありません。まだ傷の深い遺族の方々に些細なものではあるが、力になれればと思います」

慶尚北道奉化郡(キョンサンブクド・ポンファグン)で起きた散弾銃乱射事件の犯人を制圧した功労で、LG福祉財団から「LG義人賞」の受賞者に選ばれたパク・ジョンフンさん(53)。パクさんは賞金3000万ウォンを被害者の遺族に渡したい意向を示した。

29日午前、奉化郡のあるカフェで会ったパクさんは、下唇の片方が黒く腫れていた。今回のことで世間の関心がパクさんに集まったことで、数日間気を使ったせいだった。パクさんは、「賞金も静かに寄付しようと思ったけど、噂が出たので不本意ながらことが大きくなった」と照れそうに話した。

パクさんは、今回の事故で死亡した小川面(ソチョンミョン)の村役場の公務員2人の合同焼香所と告別式場にもわざと足を向けなかった。パクさんは「残念なことに、亡くなった方ではなく、私がより多くの注目を浴びてしまって、遺族の方々に本当に申し訳なかったし、迷惑になるのでは、と思い弔問をしなかった」と話した。

賞金の寄託は、パクさんの妻が先に提案したという。

「受賞が決まった日の翌日の朝、妻が自宅を出ながら『その賞金はうちのものではない。寄託しましょう。あなたが無事なだけでも感謝している』と話しました。実は賞を受けることになりましたが、その一方で、本当に重い気持ちでした。だからすぐに郡の町役場に賞金寄託の意思を明らかにしました。そうすると、本当に気が楽になりました。このような決定に助言してくれた妻に本当にありがたいと思います」

パクさんは、奉化で生まれ育って、建築関連の仕事を手がけている。21日、小川面の村役場で公民館補修工事のことで担当公務員と話をしていたところ、傍から聞こえてくる銃声を聞いた。当時、公務員2人は犯人のキム某容疑者(77)の銃に撃たれて倒れた。パクさんはすぐにキム容疑者に飛びついて銃を奪い、制圧した。もしパクさんがいなかったら、さらに大きな人命被害が出かねない状況だった。村役場の公務員と交番警察官の苦情処理に不満を抱いて犯行を決心したキム容疑者は、事件の1カ月前に散弾銃を購入し、自宅の裏庭で射撃練習までするなど、緻密に犯行を準備していた。

パクさんは「誰でも、その状況では当然同じことをしただろう」とし、「母がいつも子供と孫たちのために祈ってくれたおかげで、ケガなく無事に犯人を制圧することができたと思う」と話した。パクさんは来月7日、奉化郡の村役場で、LG義人賞を受ける。賞金は奉化郡を通じて遺族に伝える計画だ。

今回の事件で死亡した公務員のソン某氏(48・5級)の弟は、「言葉だけでも本当に有難い」と言い、「他の遺族と相談しなければ分からないが、機会があれば出向いて挨拶をしたい」と話した。


奉化=パク・グァンイル記者 light1@donga.com