Go to contents

改革開放40年、鄧小平を消して習近平を前面に出す中国

改革開放40年、鄧小平を消して習近平を前面に出す中国

Posted August. 22, 2018 09:54,   

Updated August. 22, 2018 09:54

한국어

引退した50代の中国人、チャオ・イェンチンさんは今月、広東省深セン市の蛇口中国改革開放博物館を訪れて驚いた。今年5月に訪問した時は、博物館の入口に中国改革開放の設計者である鄧小平元国家主席が以前、深セン市を訪れた様子を描写した大型の彫刻があった。博物館は当時、この彫刻が博物館の最も重要な作品だと紹介した。

しかし、改修されて今月リニューアルオープンしたが、鄧氏の彫刻は博物館の入口から消え、習近平国家主席の改革開放関連の言葉が書かれた展示品がその場を占めた。ベージュ色の壁の上に、「改革開放の40年間、革新できるという勇気で自己革新し、新しい道を切り開いた。『キャッチアップの時代』から『リードする時代』へと大きく飛躍した」という習氏の言葉が目についた。

 

この博物館は、改革開放40年を記念して昨年12月、改革開放の象徴、深セン市に建てられた。改革開放は、鄧氏が1978年に共産党第11回中央委員会第3回全体会議で改革開放路線を公式化して始まった。深セン市は改革開放に向けて最初に経済特区に指定された。

 

改修の後、鄧氏の跡が消えて習氏がその場に取って代わると、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは21日、「中国が今年、改革開放40年を迎え、習氏を高めて鄧氏のカラーを薄めようとしている」とし、「習氏が中国の過去を越えて偉大な指導者という神話を作るための作業」と指摘した。

習氏だけでなく、改革開放初期に広東省第1書記を務めた習氏の父親の習仲勲氏も、改革開放を率いた偉人に格上げされている。博物館には、習氏だけでなく習仲勲氏の改革開放の業績を称賛する展示物が登場した。

香港の星島日報によると、最近、北京の国家美術館で開かれた「改革開放40年全国美術作品展」に習仲勲氏が主人公の美術作品が登場した。「早春」という題名のこの作品には、鄧氏など改革開放初期の指導部が登場する。

広東省で改革開放をどのように進めるか話し合っている様子を描いたこの絵の中央にいるのは習仲勲氏。習仲勲氏が地図上の深セン市を指さして笑っている姿を鄧氏ら指導部が見上げている。ウォール・ストリート・ジャーナルは、「習氏と習仲勲氏関連の作品が、鄧氏や他の指導者を描写した作品より重視して展示された」とし、「2008年の改革開放30年の時に開催された展示会では、大半が鄧氏関連の作品だった」と指摘した。

このような動きは、習氏執権後、鄧氏の影を消す流れと無関係ではない。鄧氏は権力集中を防止し、集団指導体制の維持を重視した。このため、国家主席の再任禁止の条項を憲法に入れ、党と政府の分離および均衡を強調した。米国と対抗したり、国際社会で覇権を追求しないというのも鄧氏の遺志だった。

しかし、習氏は今年、国家主席再任条項を削除し、党が政府を含め全てを指導する方針を強調している。米国との覇権競争も激しくなっている。チャオ・イェンチンさんは同紙に、「彼ら(当局)は歴史を尊重しなければならない」とし、「毛沢東時代の個人崇拝が復活している。これは非常に危険だ」と指摘した。


尹完準 zeitung@donga.com