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ネズエラ大統領が演説中に会場上空でドローン爆発、情報相「大統領を狙った攻撃だった」

ネズエラ大統領が演説中に会場上空でドローン爆発、情報相「大統領を狙った攻撃だった」

Posted August. 06, 2018 09:12,   

Updated August. 06, 2018 09:12

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ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領(56)が4日、首都カラカスで野外演説をしていた時、ドローンを利用した攻撃を受け、避難した。

 

AP通信など外信の報道によると、国家警備隊創設81周年記念の式典で演説をしていた時、式典会場の上空で爆発物を積んだ複数のドローンが爆発した。ベネズエラのロドリゲス情報相は、「大統領にけがはなかったが、現場にいた兵士7人が負傷した。ドローンの爆発は、大統領を狙った攻撃だった」と明らかにした。

テレビ中継されていた画面には、マドゥロ氏が演説をしていると轟音が聞こえ、カメラが揺れて大統領夫妻と演壇周辺の官僚たちが驚いた表情で空を見上げる様子が映された。突然の爆発に演説は中断し、式典会場は一瞬にして騒然とした。隊列を組んでいた兵士たちが逃げ出す様子も中継カメラに捉えられた。

 

マドゥロ氏は同日。暗殺未遂攻撃後、国民への放送演説を通じて、「私を殺そうとする計画が強行された。誰かが今日、ドローンを利用して爆発物で私を暗殺しようとした。警察が今回の事件に関わった者を逮捕した」と明らかにした。

 

マドゥロ氏は、「コロンビアの首都ボゴタと米マイアミを拠点に活動する組織と関係のあるベネズエラの極右組織が今回の暗殺未遂の主犯だ」と述べた。しかし、検挙された容疑者の具体的な情報は明らかにされていない。

また、「コロンビアのサントス大統領も、私に対する暗殺未遂事件の責任を痛感しなければならない」と主張した。親米国家のコロンビアは、左派政権のベネズエラと敵対関係にある。コロンビア政府は同日、暗殺未遂事件について言及しなかった。

マドゥロ氏は、トランプ米大統領にも「残忍な方法で暗殺を行うテロ集団に対して戦わなければならない」という批判メッセージを伝えた。マイアミのある集団が今回のドローン暗殺攻撃の資金を支援した、マドゥロ氏は考えている。

英BBC放送は、「『Tシャツを着た兵士たちの国民運動』を名乗るある正体不明の団体が、今回の暗殺未遂の背後勢力だと主張した」と報じた。同団体は、ソーシャルメディアを通じて、「爆発物を積んだドローン2台をマドゥロ氏に飛ばす計画だったが、目標地点に到達する前に兵士の銃撃を受けた」と主張した。

シンクタンク「ラテンアメリカに関するワシントン・オフィス」(WOLA)のデービッド・スミルド研究員はAP通信とのインタビューで、「マドゥロ氏が今回の暗殺未遂事件を機に政治的反対勢力に対する弾圧に力を入れることが予想される」と見通した。しかし、「マドゥロ氏が政治的意図で粗雑な今回の暗殺攻撃をねつ造したとは見られない」と指摘した。

マドゥロ氏は2013年、4選に成功した直後、癌で死亡したチャベス大統領の後に続いて政権を獲得した。5月に行われた大統領選で再選に成功したが、急激な物価上昇と景気低迷でベネズエラ政局は悪化の一途をたどっている。

マドゥロ氏は、ベネズエラの経済難を米国など外勢の干渉、国内企業など裕福な既得権層の利権争いのせいにしてきた。マドゥロ氏は2015年4月、米州機構(OAS)の首脳会議で、オバマ米大統領(当時)に、「ニューヨークに住む誰かが私の暗殺命令を受けたという証拠がある。どのするつもりか」と問い質した。


孫宅均 sohn@donga.com