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世界の外交も「プーチン氏のサッカーボール」によって動く

世界の外交も「プーチン氏のサッカーボール」によって動く

Posted June. 15, 2018 09:22,   

Updated June. 15, 2018 09:22

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「スポーツと政治は混ぜない。我々は全ての誰とも協力する準備ができています。ロシア訪問を歓迎します」

 “스포츠와 정치는 섞지 않을 겁니다. 우리는 모두와 협력할 준비가 돼 있습니다. 러시아에 온 것을 환영합니다.”

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(写真)は、ワールドカップ(W杯)開幕を翌日に控えた13日、モスクワで国際サッカー連盟(FIFA)代表団を会見し、「世界のサッカーファンがロシアの親切さと温かさ、多民族精神を楽しんでもらい、今後もまた訪問してもらいたい」と笑顔で話した。客を迎える準備を終えたプーチン大統領の余裕が読める場面だった。今回のロシアW杯大会中に150万人の外国人がロシアを訪れるものと見込まれている。

2010年12月、メドベージェワ大統領時代に2018年W杯の開催権を勝ち取った以来、ロシアは国際社会で孤立の道を歩んできた。

ストロングマンの元祖と言えるプーチン大統領は、2012年に大統領に復帰し、バッシャール・アル・アサド政権側に立ってシリア内戦に本格的に介入し、米国と対立した。その後、2014年にウクライナを侵攻してクリミア半島を強制的に併合し、西側から強い経済制裁を受けた。トランプ米大統領が当選した2016年の米国大統領選に関わった疑惑に次いで、今年3月に英国で起きた元ロシアスパイ劇薬殺害未遂事件の背後と疑われ、西側との対立は最高潮に達した。英国などで「ロシアW杯をボイコットするべきだ」という声があがるほどだった。

しかし、ロシアW杯が無事開幕され、ロシアの国際社会での地位は、いつよりも高まったとの評価が出ている。

まず、トランプ大統領の「米国第一主義」はプーチン大統領にはプラスになっている。貿易戦争で欧州など伝統的な同盟国と摩擦を起こし、ロシアの価値が上がっているからだ。トランプ大統領は2014年以降、ロシアを外して開催したG7首脳会議にロシアを復帰させる問題を進めており、ドイツやフランスなど欧州のメンバー国はロシアとの経済協力を先に提案している。

これにポピュリズムのブームに後押しされ、イタリアやオーストリアなど欧州の国で親ロシア政権が相次いで誕生した。伝統的な友邦、中国ととの友好関係が深まったのもロシアには大きな力になっている。

2014年に西側の経済制裁で一時暴落したルーブルの価値も次第に安定を取り戻しつつある。また昨年から原油価格が上昇し、ロシア経済も安定軌道に乗った。英紙フィナンシャルタイムスは13日、「今後1ヵ月間、ロシアは西側がロシアを孤立させようとした取り組みが失敗したことを見せるだろう」と報じた。


董正民 ditto@donga.com