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雨が降れば地下駐車場惨事、被害防止マニュアルを再整備しなければ

雨が降れば地下駐車場惨事、被害防止マニュアルを再整備しなければ

Posted September. 08, 2022 09:00,   

Updated September. 08, 2022 09:00

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台風11号(ヒンナムノー)がもたらした記録的な豪雨で、慶尚北道浦項市(キョンサンプクト・ポハンシ)のアパート2ヵ所の地下駐車場が浸水し、8人が死亡する惨事が発生した。いずれも地下に駐車した車の移動を求める管理事務所の案内放送を聞いて地下に行って被害に遭った。40年間連れ添った老夫婦が共に心肺停止状態で発見され、50代の女性は奇跡的に救助されたが、母親を追ってきた2人の息子は死亡した。

首都圏の集中豪雨でソウル瑞草区(ソチョク)のビルの地下駐車場で死者が発生したのはわずか1ヵ月前。相次ぐ地下駐車場の惨事は、地下空間が水害にどれほど脆弱かを知らしめる。地下空間は浸水が始まると流速が速く、一瞬にして水没する。今回の浦項マンションの地下も、水没まで10分もかからなかった。膝の高さの水位でも歩きにくく、水圧で出入り口が開かず避難できない。2016年に発生した台風18号(チャバ)が襲った時、蔚山(ウルサン)の地下駐車場で死者が発生した。

危険度に比べると、備えはあまりにもお粗末だ。今回のように暴雨が予報された状況では、雨が降る前に地下から車を移動しなければならず、雨が降り始めたら地下に行ってはならない。しかし、管理事務所は、地下駐車場が一部浸水した後も案内放送をしたという。対応マニュアルに車両の移動放送をしなければならない時が「浸水予想時」と曖昧なため、マニュアルに従ったためにかえって被害を大きくする事態となった。政府が2017年に設けた水防施設の義務化規定によると、地下空間には止水施設と水を汲み出すための排水ポンプを設置しなければならない。しかし、常襲の浸水地域にのみ適用される規定であるうえ遡及適用ではなく、今回の浦項アパートのように以前に建てられた建物の地下空間は、浸水被害に無防備な状態だ。

最近では、駐車スペースの確保のために地下深くに駐車場を作ることが多い。気候変動で1時間に100ミリを超える奇襲豪雨が頻繁に起こっている。政府と自治体が無用の長物となった水害防止マニュアルを新たに更新して配布し、大型建物の地下駐車場に対しては止水施設の設置を急がなければならない。今回の浦項惨事は、近隣河川が突然氾濫したことも原因なので、全国の河川を対象に安全点検をする必要がある。気象庁は、新たな台風が韓半島に影響を与える恐れがあると見ている。