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北朝鮮の挑発を隠し、形だけの抗議…「弱腰」対応は挑発の程度を高める

北朝鮮の挑発を隠し、形だけの抗議…「弱腰」対応は挑発の程度を高める

Posted November. 27, 2019 08:47,   

Updated November. 27, 2019 08:47

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国防部は、北朝鮮が23日、白翎島(ペクリョンド)付近の昌麟島(チャンリンド)で海岸砲の試射を実施したことに対して、25日に「9・19軍事合意を違反した」と遺憾を表明した。北方限界線からわずか10キロしか離れていない場所で実施された砲弾試射は明確に9・19合意違反だが、2日も経って遺憾を表明したのだ。それ毎日2度の西海(ソヘ・黄海)地区軍通信線の「定期通話」で抗議したという。国防部は、北朝鮮の海岸砲射撃の2日後、北朝鮮の報道機関が報道した後に公表した。 

23日は延坪島(ヨンピョンド)砲撃から9年になる日で、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の条件付き延長が決定された翌日だ。GSOMIA廃棄を主張してきた北朝鮮が、延長が決定されると、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長まで参観して攻撃訓練を行い、不満を示したとみえる。韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会談開幕日に試射の事実を公開したのも、アジア10ヵ国首脳への宣伝効果の最大化を狙ったとみえる。

北朝鮮が約束を破って海岸砲試射を行ったのは、北朝鮮の相次ぐ挑発に政府が生ぬるい対応をしているためだ。今年5月、イスカンデル級の短距離弾道ミサイルを発射した時、国防部は「戦術誘導兵器」とし、「ミサイル」を口にしなかった。今年12回も様々な射程距離の中短距離ミサイルや放射砲の試射があったが、一度もまともな抗議をしなかった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9月、国連総会での演説で、「軍事合意の違反は一度もなかった」と強調したが、今回の砲撃訓練で面目を失うことになった。

 

文政府は今月初め、漁船に乗って韓国に来た2人の北朝鮮人を急いで追放するなど北朝鮮を意識して低姿勢で対応したにもかかわらず、北朝鮮は韓国を無視して侮蔑する行動に出ている。北朝鮮が、金正恩氏が来ることができないなら特使だけでも送ってほしいという文大統領の親書の内容を公開したのは、韓国を対話のパートナーと思わないという公開的な拒絶宣言に相違ない。南北関係の改善は国民皆が望むところだが、戦略も手段もなく過度に低姿勢でしがみついたため、国民の生命と安全を脅かす挑発がますます強まっているのだ。韓国政府が事実上、死文化した9・19合意に執着している間に安全の脅威が目の前に迫っている。