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ツキノワグマの人工授精にまたもや成功…2年間で計5頭を産んだ

ツキノワグマの人工授精にまたもや成功…2年間で計5頭を産んだ

Posted May. 20, 2019 07:53,   

Updated May. 20, 2019 07:53

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「ぱん、ぱん、ぱん…」

規則的に心臓の動く音が聞こえた。昨年12月に冬眠に入る直前、母親のツキノワグマを寝かせて行った超音波検査で聞こえた音だ。腹の中の胎児が、元気に育っているというシグナルだった。環境部傘下の国立公園公団種復元技術院の研究チームはこの時から、史上2度目の人工授精で生まれる赤ちゃんのツキノワグマを待っていた。

国立公園公団は、全羅南道求礼郡(チョンラナムド・クレグン)にある種復元技術院で、絶滅危惧種(2級)のツキノワグマの母親2頭が、今年1月にそれぞれ子グマ1頭と2頭を出産したと、19日明らかにした。昨年2月は、世界で初めてツキノワグマ2頭が人工授精によって、それぞれ1頭ずつ計2頭を出産した。

今年はツキノワグマ3頭が生まれたことで、ツキノワグマの人工授精が2年連続で成功したのだ。3頭の赤ちゃんのツキノワグマは、現在母熊と一緒に野生適応訓練を行っている。

クマの人工授精は、成功が非常に難しい。クマは自然でも特定の時期だけ交配する「季節繁殖」をするうえ、栄養状態などによって受精卵が子宮に着床するまでの時間が長くかかる。また、冬の冬眠中に子を出産して死産するケースも多い。

このため、米国でもホッキョククマとマレーグマを対象に、2008年から人工授精を試みたが、まだ子熊の出産に成功できずにいる。種復元技術院のカン・ジェグ院長は、「ツキノワグマの人工授精に使われた手法が、今後パンダやマレーグマなどの絶滅危機の他のクマにも活用できるようにマニュアルを作る計画だ」と明らかにした。

韓国国内のツキノワグマの人工授精を巡る研究は、遺伝的多様性を確保するために2015年から始まった。繁殖力の強い複数のクマだけが子を生み続けており、同様の遺伝子のみが受け継がれているという指摘があるからだ。

一方、智異山(チリサン)の野生でも赤ちゃんのツキノワグマ4頭が新たに生まれたことが確認された。3頭はオスで、1頭は性別を確認していない。種復元センターは、毎年冬眠期間にツキノワグマに取り付けた追跡用発信機の電池を交換する過程で、子を出産したかどうかを確認する。国立公園公団は、「智異山ツキノワグマの復元事業が開始されたことで、2009年から自然で毎年2〜5頭の小熊が生まれている」とし、「智異山と修道山(スドサン)一帯に生息している野生のツキノワグマの個体数は64頭と推定されている」と明らかにした。


カン・ウンジ記者 kej09@donga.com